猫アレルギーの患者さん… 猫を手放さず、一緒に暮らすには

 

以下の記事が載っていたが、猫アレルギーで喘息の患者さんが当院にもやってくる。それは僕の母親なのだが、猫を飼い始めてから喘息になった。原因も分かっているし、その猫は近所の人が飼っていてたまに遊びに来る程度なのだが、事情があって母の家にしばしばやってくるらしい。

僕は猫好きでもなく、犬が好きなので猫の好きなひとの気持ちはわからないけれど、母は猫から頼りにされているのでどうしても家に上げるのは止められないという。

 

猫の事情というのも面白いもので、どうして 母がその事情を知ったのかもわからないけれど、どうやらその猫は飼われている家での猫の権力闘争に敗れてしまい、居ずらくなっているらしい。そのために自分の家にいられずうろうろしているところをうちの母親が可愛がって餌をやったり家に入れたりとしているうちにうちの家に居ついているとのことである。居ついていると言っても、夜のなると自分の家に帰るらしいから、決してうちの家猫ではないのだが、徐々にうちの家から帰らないことが多くなってきたそうだ。

そのうちに持ち主の人とも母親が話すようになり、前述のような事情を知ったようだ。母親は猫の事情を聴いて余計に感情移入したらしく、まさに猫かわいがりしているようだ。

一方で母親の喘息はひどく、週のうち毎日点滴に来ることもあるし去年は入院したこともあった。それでも猫を家に入れないなんてことはできないと言う。猫のファンにとっては自分の健康のために猫を家に入れないという選択肢はないらしい。

年老いた母親の健康を考えると僕としては猫を家に入れずに玄関先だけで相手してもいいのになと思う。僕ならば自分の猫でもないし他人様の猫なのだから喘息で死ぬような思いをしてまで自分の家に上げてかわいがることはないと思う。しかし、年おいた母親が猫のためにそこまで愛情を注ぐ点はどうしても理解できないなと思う。

 

記事)

猫を飼っているのに、もし猫アレルギーを発症したら……。愛猫を手放さなければならないのか、何かほかに解決策はあるのか。アレルギーに詳しい太融寺町谷口医院(大阪府)の谷口恭院長に聞きました。

 

――猫アレルギーはどんな発症の仕方をするのでしょうか。

 

ある50代の女性は、離婚をきっかけに、5年前から猫を飼い始めたそうです。ところが、3カ月前から原因不明の咳が続き、だんだん悪化し、1カ月前からは息苦しさも感じるようになったということでした。近所のクリニックで血液検査をしたところ、猫アレルギーだと診断され、猫と別れるように勧められたそうです。

 

しかし、猫を生きがいにしている患者さんは、「それはできない」と言い、医師は「とにかく猫と離れて暮らすしかない」と言う。どれだけ話しても平行線で、医師との関係が悪化し、私の医院を受診されたのです。

 

患者さんは、「5年前から猫を飼っていて、いままで何もなかったのだから猫アレルギーではない。何か他に原因があるはず」と言うのですが、猫アレルギーであることは間違いありません。

 

アレルギーは最初から発症するわけではなく、毎日使っている化粧品で起こることもありますし、花粉症もそうですが、むしろ毎日触れているものだからこそ、ある日突然、発症するのです。ちなみに、犬やウサギのアレルギーもありますが、猫アレルギーの人は最も多く、息苦しさやぜんそく発作が起こるなど、重症化することがよくあります。

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猫への思いと妥協点

 

――猫を手放すという選択肢はなかったのですね。

 

そうです。普段はツンデレなのに、元気がないと、近寄ってきて喉をゴロゴロ鳴らして寄り添ってくれる。猫のことを彼女は「生きがい」だと言っていました。

 

しかし、命に関わるような激しいぜんそく発作が起こった時、救急車を呼ぶことができない危険性もあります。一方で、「生きがい」を奪ってしまうのも厳しい。私は、部屋の間取りを聞き、猫を絶対に寝室に入れないように言いました。しかし、彼女が、「そんなことはできない」と言うので、「可能な限り入れない」、と妥協してもらったのです。

 

「寝室に可能な限り入れない」だけでなく、家中のラグやカーペットを除去し、すべてフローリングにすることも助言しました。

 

猫アレルギーの主な原因は、猫のフケなのですが、フケやフケのついた毛がカーペットに絡まると、なかなか完全に除去するのは難しいのです。猫の尿や唾液がアレルギーをひきおこすこともあります。いくら猫を愛している人でも、猫アレルギーを発症した場合、妥協すべきところは妥協する必要があります。ある程度の妥協なしには猫と暮らすことは困難です。

 

猫アレルギーは根治しない慢性疾患

 

――薬による治療も必要なのですね。

 

環境を整えるだけでは不十分なので、毎日服用するアレルギーの飲み薬と毎日吸入するぜんそくの薬を処方しました。寝る時はぜんそく発作が起こった時の緊急用の吸入薬を枕元に置いてもらい、鼻炎や結膜炎の症状もあったので、鼻炎薬や点眼薬も使ってもらいました。

 

最初の2週間は緊急用の吸入薬を何度か使ったそうですが、その後、ほとんど症状が起こらなくなり、通院しだして3カ月が経過する頃には、飲み薬は2種類とも中止、緊急用の吸入薬は、ほぼ使わなくなったのです。毎日使用する吸入薬と点鼻薬、点眼薬だけになりました。

 

しかし、猫アレルギーが根治することはありません。この患者さんも吸入薬をやめれば、また症状が出てくるでしょう。さらに症状が強くなることも考えられ、その場合は、薬の量や種類を増やさなければなりません。

 

猫アレルギーは完全に治ることはない慢性疾患なので、患者さんは、ご自身の思いをかかりつけの医師に打ち明け、共に何らかの解決法を見出す必要があります。

 

猫アレルギーになった… 猫を手放さず、一緒に暮らすには

6/21() 10:42配信

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190621-00010000-sippo-life&p=2