がん治療について

最近の統合医療の症例を提示したいと思います。免疫療法やビタミンC点滴療法が当院で主に行っている治療です。癌治療には食事療法や適度な運動、太陽光を浴びること、自然の中で過ごすこと、また人と人とのつながりや精神状態も大切です。

一人目の患者さんは胃がんのステージⅣで腹膜播種があります。病院によってはこの段階で余命を宣告したりします。また、「もうこの病院には来なくていいです。ここは治療する人のための病院なのであなたは治療しても治らないから治療はしません。ですからお引き取り願います」などという病院もあるらしいです。ひどい話だと思います。

この患者さんは以前から免疫療法やビタミンC点滴療法に興味があり去年当院に来院されました。治療方法を相談の上、免疫療法を開始しました。樹状細胞ワクチン療法と活性化Tリンパ球療法、NK細胞療法です。樹状細胞ワクチンを作るためには単球を成分採血する必要があります。成分採血とは血液透析と同じように3時間程度かけて、単球という成分だけを取り出す操作です。単球は血液中に非常に少ない細胞だからです。この操作をせずに単に採血して200ml程度の血液からわずかな単球を取り出してもほとんど樹状細胞は作れません。でもそんな詐欺的な作り方をしているところもあるようです。ワクチンは週に一度投与しました。その後は活性化リンパ球療法、NK細胞療法を併用しました。これは血液中のリンパ球、NK細胞を培養して2週間ごとに投与する方法です。それぞれ1クール施行し終了したのが去年の7月でした。その後ビタミンC点滴に変更しました。経過は順調でCEAやCA19-9といった腫瘍マーカーも正常範囲に低下しています。抗癌剤の併用もしているので体力的にきついこともありますが、最近は元気で畑仕事もできるようになりました。

二人目の患者さんは2年前から通院されている方で大腸がんの肝臓転移です。大腸の手術後元気にされていましたが肝臓の転移が見つかりました。肝臓転移は一度手術をしましたが再発して抗癌剤をしています。この方もステージⅣの状態で来院されました。

最初免疫を強化したいと言う事で患者さんは活性化リンパ球療法とNK細胞療法を併用されました。3か月間に合計で6回の免疫点滴をしました。その後腫瘍マーカーは4000台まで上がっていたものが一桁まで下がってきました。現在はビタミンC点滴をしながら内服の抗がん剤を使っています。そして今年の2月にはCTで肝臓の癌は消失しています。現在はビタミンC点滴を続けている状態で、患者さんは非常に元気に仕事もされています。

免疫療法やビタミンC点滴は勿論万能ではなく、弱い抗がん剤程度の効果だと思いますが、こうしてステージⅣの患者さんが元気に暮らしていて、血液データからも完治したのではないかという位に改善するのを見ると本当にうれしいものです。当院で効果があった患者さんはこうした治療法もさることながら生活習慣や考え方を変えたのが一番大きな理由かもしれません。ステージⅣで余命を宣告されても治るかもしれないという希望を持つこと。食事や運動などの生活習慣を改善すること。そして、心にストレスをためないことが大切だと思います。