IPT療法~効果

IPT療法の効果について
今現在までにIPTを行った患者さんは多くいる。効果が合った例を伝えたいと思う。
 
 がん治療においては効果があるかどうかは、やってみないとわからないのが本当だ。抗がん剤もそうで、この前効いていたのに今回はまったく効果がなく副作用ばかり出るということもある。

 IPTも同じことが言えるのだろうか?IPT療法を開発したドウター、ドネートはIPTはがん治療に対してすべてのガンでかなりの確率で効果的だと言っている。これがその原文だ。

In another email on May 8, 2001, an experienced IPT doctor suggested these response rates for various specific types of cancer.  These are just estimates from one doctor, and are not based on actual statistics.  These numbers offer hope, and strongly suggest the need for real statistical research.  However, they should not be used as the basis of medical decisions.
もうひとつのメールであらゆるタイプのガンに対して経験のある医師はこれらの奏効率があると述べている。(ドネートに送られてきたメールのこと)
この数字はある一人の医師が見積もった数字であり、実際の統計ではない。しかし、これらの数字は希望に満ちており、是非統計的な研究がなされるべきである。しかしながら、これらの数字が医学的な治療法の決定に根拠を与えるべきものではないだろう。

Breast  乳がん 100%
Lung  肺がん 100
Prostate 前立腺がん 100
Cervical 子宮頸がん100
H. Lymphoma  ホジキンリンパ腫100
Uterine 子宮がん 90
Ovarian 卵巣がん 90
Sarcoma サルコーマ 90
non-Hodgkin's Lymphoma 非ホジキンリンパ腫 80
Colon 大腸がん 80
Leukemia 白血病 80
Stomach 胃がん 80
Bladder  膀胱ガン 60
Pancreatic すい臓がん 50

もしこの数字が本当だとしたらものすごい結果だと思う。前回書いたナルトレキサンに勝るとも劣らない数字である。
 
実際にIPT療法をやってみて思うのはかなり治療効果が高いだろうということである。事実私の患者にも非常に効果が出ている方がいる。

患者は大腸がんの多発肺転移であるが、肺にある直径3cm~5cm大のがん細胞の塊がまるで拳銃で撃ちぬかれたように穴が開き、飛び散り、雲散霧消してきている。たった2ヶ月の治療でだ。その間患者は16回のIPT治療を受けた。

それまでも2種類の抗がん剤でガンの進行を何とか抑えていたが、抗がん剤の副作用で顔中がシミだらけになり、手足が真っ黒く、4月にIPT治療を始めたときには非常に体が辛いと言っていた。

しかし、それから2ヶ月たってみてどうだろう。顔色は血色が良くなり、シミは消え、体のこりも取れて体調はすこぶる元気だ。外見は元気な人となんら変わりはない。

本人も自分のCT,X線写真を見て驚きと嬉しさにいっぱいだ。
もちろん高濃度ビタミンC点滴も一緒にやっている。私自身も自分の勉強してきた治療法が間違いでなかったと嬉しい。
これからもIPT療法をきわめて行きたいと思う。

ただ、IPTには危険がつき物である。それについても述べておこう。
まず、決定的なのは低血糖だ。ドネートやIPTの経験豊富なアメリカのドクター達はIPTをすると患者は食欲も出て元気になるというが、長期的に見たらそうだろう・・・しかし、治療直後や治療中の患者はそうでもない。

特に低血糖状態は結構きつい。私も自分で血糖値39mg/dlまで経験したが、とても辛い。手が震えだしてとまらなくなるし、頭がボーっとして気を失いそうになる。しかし、そこまで血糖を下げないと細胞膜の透過性が亢進しないのだから仕方がないのである。

低血糖のサインは、
発汗、体の熱感、視界の異常、手の振るえ、などである。このサインが出てきたら治療の最適状態といってよいだろう。

この瞬間にがん細胞は低血糖になり細胞膜上にグルコースレセプターを多く持つがん細胞が細胞膜の透過性を高めて薬剤が正常細胞よりも多く細胞内に入り込んでゆくのである。

本来はガン細胞に感受性のある抗がん剤を使うのがもっとも良い。次には我々自然療法を行っている医師が多く使っているビタミンB17などであろう。

また、治療後の体の辛さも尋常ではない。私自身の経験で言うとその日一日は体がだるく、手足が震えて辛かった記憶がある。患者さんもそれなりに体が辛いと言っていた。

しかし、がん細胞がばらばらに砕け散っている様子をCTで確認して、ガン自体がこれだけ効果的に攻撃を受けてしまう治療法はなかなかないだろうなと思っている。

また、不思議なもので、一般にはこれだけガンを攻撃する強さがあると正常細胞も同様にダメージを受けてしまい、体がぼろぼろになって行く。このIPTにはそういった類の副作用はまったくないと言っても良いだろう。

治療には私は3つのパターンがあると思う。
1つは抗がん剤のようにがん細胞にも効くが、正常細胞もやっつっける物。これはうまく使えば休眠療法のように有用である。

2つ目は正常細胞は元気になるが、がん細胞も元気になって進行するもの。ガンに効くと宣伝する健康食品の類である。要は効いていないけれど患者さんの多くがだまされやすいもの。これが一番たちが悪いと私は考えている。

3つ目はこのIPTのようにがん細胞にだけ効果があり、正常細胞は一時的にはダメージを受けるが抗がん剤のように副作用がでないものである。

我々統合医療を行い、自然療法のエッセンスを学ぶものはこの3番目の治療法を見出し実用にしてゆかねばならないと思っている。