ビタミンDサプリメントが乳がんリスクを11%低減:シスター研究
ビタミンDをがんの患者さんに勧めることがよくある。コーヒーを飲むことと緑茶を飲むこともよく推薦する。がんという病気はビタミンDが治すわけではないが、リスクを下げると言う事は何らかのがんの発生を抑制する可能性が高いと考えられるからだ。
癌の発生、がんの増殖に関するどこかを抑制的に働きかけていると考えられる。
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今月の環境医学の専門ジャーナルに、血中ビタミンD値と乳がんリスクとの関連を調べた疫学研究が、米国のグループから報告されていました。
(Environ Health Perspect. 2017 Jul 6;125(7):077004.)
姉妹が乳がんの家族歴を有しているが、本人は乳がんではない女性において、
(つまり、遺伝的に乳がんリスクを有していると推定されるが、乳がんには罹患していない女性)ビタミンDサプリメントの利用および血中ビタミンD値と、乳がんリスクとの関連が検証されました。
具体的には、 姉妹が乳がんに罹患した家族歴を有するが本人は乳がんではない、35-74歳の女性で、2003年から2009年のシスター研究(Sister Study)に参加した米国女性50,884名を対象に、 血中ビタミンD値およびビタミンDサプリメントの利用と、5年間のフォローアップ中の乳がん発症との関係が調べられています。
5年間のフォローアップ期間中に乳がんを発症した1,611名と、 対照群1,843名の血中濃度が測定され、解析されています。
解析の結果、 血中ビタミンD値が、4分位で最高群では、 最低群に比べて、
乳がんリスクが21%低いという有意な相関が見出されました。
(highest versus lowest quartile: adjusted ; CI: 0.63, 0.98)
また、シスター研究の参加者50,884名の5年間のフォローアップの解析では、
ビタミンDサプリメントの摂取と、乳がんリスク11%低下との有意な相関が認められました。(CI: 0.81, 0.99)
この相関は、 閉経後の女性において特に顕著でした。(血中濃度;(CI: 0.57, 0.93)、ビタミンDサプリメント(CI: 0.74, 0.93))
以上のコホート研究のデータから、ビタミンDの血中濃度が高い あるいは、ビタミンDサプリメントの利用によって、 遺伝素因のリスクを有する女性、特に閉経後の女性において、
乳がんリスク低下作用が示唆されます。