米国のがん患者の73%は治療中()にサプリメントを利用 [20160531()]

日本でも統合医療の地位向上が徐々に起きつつある気がします。特に難病においては、難病というだけあり通常療法では治療効果もあまり上がらないわけで、個別医療という観点からも統合医療の様々な治療法を利用することは間違いではありません。

統合医療の内容にはサプリメントの利用や、心身相関医学、エネルギー療法、徒手療法もあります。日本の患者さんもサプリメントや食事療法にとどまらずいろんな治療法を取り入れればいいと思います。

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今月の統合腫瘍学の専門ジャーナル(電子版)に、米国のがんセンターにおけるCAM(補完代替医療)の利用状況を調べた研究が、米国のグループ(University of North Carolina at Chapel Hill)から報告されていました。 (Integr Cancer Ther. 2016 May 4.) 現在、統合医療の理念が広がりつつあり、いわゆる難治性疾患や生活習慣病に対しては、標準治療に加えて、個別化医療の視点から補完代替医療の併用が行われています。 (なお、日本では、今年2月、厚生労働省内に、統合医療企画調整室が正式に設置されています。) さて、今回の研究では、米国のがん患者におけるCAMの利用状況が調べられました。 具体的には、2010年から2012年の間に、がんセンター(Lineberger Comprehensive Cancer Center)においてがん(乳がん、前立腺がん、肺がん、大腸がん)と診断された1,794名を対象に、がんの診断後のCAM利用、 CAMに関する標準治療の医療プロバイダーとの会話といったことが調べられています。 603 (33.6 %)が質問票を完了しました。 回答者は、平均年齢64 ±11歳、女性62%、白人79%、非ヒスパニック98%でした。 がんの部位別では、乳がん (47%), 前立腺がん(27%), 大腸がん(14%), 肺がん(11%) でした。 89%は、普段からCAMを利用していました。 85%は、がん治療中、あるいはがん治療開始後にCAMを利用していました。 CAMの内訳は、 心身相関医学39%、 ダイエタリーサプリメント73%, body-based therapies 30%,(マッサージや徒手療法など) エネルギー療法49%でした。 また、がん治療中は、エネルギー療法以外のCAM利用率は低下し、 治療終了後には、カイロプラクティック以外のCAMは治療前と同じ利用率になっていました。 その他、がん診断後にCAM利用を開始した場合は、CAM利用について、かかりつけのがん治療プロバイダーと相談するという相関が認められています。(主に患者側からの相談) 以上のデータから、今回の研究でも、先行研究と同様に、がん患者ではCAMが広く利用されていることが示唆されます。 がんのリスク低減や再発予防、延命効果に関して有用性が示唆されている機能性食品成分は、 キノコ類、コエンザイムQ10、抗酸化ビタミンミネラル、オメガ3系必須脂肪酸、 ポリフェノール/ファイトケミカル類(イソフラボン、リコピンなどです。)