腸内細菌叢の菌の勢力バランスで様々な健康の状態が変わってくる。

うちの犬のウンチを貯めて、1か月分くらいを畑にまいているが、適度に発酵されているのだろう、畑にまくときにはヨーグルトの匂いがする。知らない人は驚くだろうが、野生の草花には乳酸菌が住み着いていて、犬や猫などは草をガシガシとかじっているのは実は腸内細菌の善玉菌である乳酸菌を増やしているのである。

犬は基本的に肉食で、餌であるドッグフードも肉から作られているものが多いのだが、それでも腸内に乳酸菌が住み着いているわけだ。人間においては悪玉菌が増えて病気になるものだから乳酸菌を取り込もうとするが、実際には腸内環境が悪玉菌に優しくて善玉菌が生き残れない悪い環境だから病気が発症する。

菌だけを入れても意味があるとは僕には思えない。うちのミハイル君のようにお菓子も食べず、穀物も食べず肉ばかり食べているエスキモーのほうが文明化された環境の人間よりは健康なのだ。

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関節リウマチ研究の専門ジャーナルに、乳酸菌の投与による関節リウマチ患者の症状軽減と炎症状態の改善を示した臨床研究が報告されていました。 (Int J Rheum Dis. 2014 Jun;17(5):519-27) 先行研究では、関節リウマチ患者と健常者では、腸内細菌叢(腸内フローラ)の構成菌種に有意な相違があることが示されています。 ただし、関節リウマチでは、特定の菌種の存在が、病気の原因となるのか、あるいは、関節リウマチに伴う慢性炎症の結果として、特定の菌種の増加や減少といったディスバイオーシスが生じるのかはまだ明確ではありません。 (なお、肥満では、特定の菌種による肥満との因果関係が示唆されています。) さて、今回の研究では、関節リウマチ患者において、乳酸菌サプリメントの投与による炎症マーカーおよび症状への影響が検証されました。 具体的には、ランダム化二重盲検臨床試験として、20-80歳の関節リウマチ患者の女性を対象に、(BMI40未満、試験開始前の3ヶ月間は医薬品の投与が一定で状態が安定している患者) サプリメント投与群(30名) あるいは 偽薬投与群(30名)の2群について、8週間の乳酸菌投与が行われています。 用いられた乳酸菌は、ラクトバチルス・カゼイLactobacillus casei1種です。 (投与量は、Lactobacillus casei 0110(8) CFU) 病気の症状は、疾患活動性スコア28(DAS28EULARレスポンス、 で評価され、炎症マーカーとして血中のサイトカイン類が測定されています。 (IL-1β, IL-6, IL-10, IL-12, TNF-α) 乳酸菌投与群22名、偽薬投与群24名のデータが解析された結果、乳酸菌(L. casei 01)投与群では、炎症マーカーであるhs-CRPの有意な減少、 圧痛や腫脹関節の数の減少(改善)、グローバルヘルススコアやDAS28の有意な改善が認められたということです。(P < 0.05) 試験終了時に、乳酸菌投与群では、より多くの患者が、治療への中等度の反応性が認められました。(EULARクライテリアによる。P < 0.01) また、試験終了時に、 IL-10, IL-12, TNF-αの値に関して、両群間に有意差が認められ、(P < 0.05) 乳酸菌投与群での好影響が示されています。 以上のデータから、関節リウマチ患者において、乳酸菌投与による炎症マーカー改善および症状軽減作用が示唆されます。 今後、補完療法としての臨床的意義の検証が期待されます。 腸内細菌叢(腸内フローラ)を健康に保つ(善玉菌を増やし維持する)には、 ・プロバイオティクスの摂取、 ・プレバイオティクスの摂取が重要です。 腸内細菌叢の改善では、食物繊維の有用性はよく知られています。 また、オリゴ糖は、善玉菌を増やす効果がありますので、乳酸菌と一緒にオリゴ糖もとることが大切です。 乳酸菌は、ベーシックなサプリメントとして利用が推奨されます。 様々な乳酸菌が製品化されていますので、自分にあった菌種を選ぶことが大切です。 具体的には、1ヶ月ほど試してみて、整腸作用も含めて体調をみるようにします。 (整腸作用は、乳酸菌の摂取後数日間の間に変化を感じると思います。もし、軟便あるいは下痢傾向になってしまうのであれば、他の菌種に変更します。 また、1-3ヶ月から数ヶ月間のサイクルで菌種をローテーションしてもいいでしょうし、複数の種類を同時にとることも大丈夫です。 ヨーグルトなどの発酵食品でもいいのですが、数百グラムを毎日食べるのは大変ですし、 確実に乳酸菌を摂るには、サプリメントの利用が手軽で続けやすいと思います。 プロバイオティクスは、様々な有用性が示されています。 最近の研究では、次の報告があります。 プロバイオティクスによる脂質異常症改善効果:メタ解析 プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の予防効果:メタ解析 プロバイオティクス摂取による脂質代謝改善作用:メタ解析