地中海食を遵守するほどテロメアが長い

地中海食とは、野菜豆類果物シリアルを多く摂取し、オリーブオイルからn-3系不飽和脂肪酸を多く摂取し、魚介類を多く、乳製品・獣肉や家禽類は少なめに、食事中に適量の赤ワインを摂取する食事である。

 

テロメアとは染色体末端粒子。真核生物の染色体の末端部分にみられる塩基配列の反復構造をいう。 TTAGGGの配列が哺乳類で数百回,ヒトの生殖細胞では約1万 5000~2万塩基対も繰返されている。テロメア細胞分裂のたびに少しずつ短くなることから,染色体の複製に伴う損傷を防ぎ安定性を維持する働きをになう「あそび」の部分と考えられる

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今月の臨床医学の専門ジャーナルに、地中海食の遵守率が高いほど、テロメアが長いという研究が、米国のグループから報告されていました。(BMJ. 2014 Dec 2;349:g6674.) テロメア長は、長寿の指標と考えられています。 テロメア長の短縮は、加齢に伴う疾患や生活習慣病、生存期間の短縮などとの相関が示唆されています テロメア長は、テロメラーゼ(telomerase)という酵素によって延長することが知られています。 また、炎症惹起サイトカイン類や酸化ストレスとも関連します。 さて、今回の研究では、地中海食の摂取と、テロメア長との関連が検証されました。 コホート研究(Nurses' Health Study)の一環として、 1976年に登録を開始された看護師121 700名、 1989-90年のサブグループ32 825名(採血の検体)から、 症例対照研究の対照群となる、疾患を有していない4676名について、 食事調査が行われ、地中海食への遵守がスコア化され、末梢血の白血球でのテロメア長が測定されています。 解析の結果、地中海食への遵守率が高いほど、テロメア長がより長いという相関が見出されました。 ・地中海食の遵守が最低群でのテロメア長;-0.038 (SE 0.035) ・地中海食への遵守が最高群でのテロメア長:+0.072 (0.030) (P for trend=0.004). 以上のデータから、地中海食の摂取と、テロメア長との間の相関が示唆されます。 テロメア長については、下記の報告があります。 血中ルテイン・ビタミンC値と長寿の関係 テロメアに対する延長効果は、魚油でも報告されています。