日本でも癌患者の多くは実は補完医療を利用しているのではないか。知人や家族から進められたサプリメントを摂取している方は多いと思う。

しかし、ドイツのがんセンターでのデータがすごいのは医療従事者が多くの時間を患者とすごしている点だろう。日本も患者と向き合って単に薬を投与するのではなくて、癌の原因となった患者の食生活やライフスタイルの乱れをコンサルテイングしていくことが必要だと思われる。

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http://www.dhcblog.com/kamohara/

今月のがん研究の専門ジャーナルに、がん患者におけるCAM(補完代替医療)の利用状況を調べた研究が、ドイツのグループ(Goethe University)から報告されていました。(Anticancer Res. 2014 Feb;34(2):943-8.)

先行研究によると、欧州では、がん患者の40%~50%が、何らかのCAM(補完代替医療)を利用している、とされています。
今回の研究では、ドイツのがんセンターにおいて、がん患者165名が対象となり、補完代替医療の利用状況調査が行われました。

解析の結果、60%の患者が何らかのCAMを利用していました。
最も広く用いられていたのは、微量栄養素やビタミン類でした。
CAM利用の目的は、強壮作用(73%)、免疫賦活作用(69%)が多くなっています。

CAM利用に関する情報源では、紙媒体のメディア(41%)、医師(33%)があげられています。
その他、CAM利用の主な理由として、--医療従事者が患者とより多くの時間を用いること、--患者自身がCAMによる効果を実感することもあげられています。

以上のデータから、ドイツのがん患者の半数以上が、補完代替医療を用いていることが示唆されます。
がんにおけるCAM療法には、・予防/リスク低減、・治療・標準治療の補完・再発予防といった意義がある一方、標準治療との相互作用も想定されるため、開示・申告が必要です。

キノコ類には、ベータグルカンなどの多糖類が含まれており、免疫調節作用を介した抗がん作用や生活習慣病予防作用などが示唆されています。
そこで、食用キノコや薬用キノコは、健康食品・サプリメントの成分としても用いられています。
例えば、アガリクス霊芝メシマコブ、マイタケなどです。

これらのキノコ類に関する研究として、まず、多くの基礎研究で抗がん作用や免疫調節作用が知られています。
臨床研究では、QOL改善作用を示した報告などがあります。(がんの補完療法としてのRCTを組むのは容易ではありません。)

例えば、下記の研究があります。
アガリクスによるがん患者のQOL改善作用
コクランでは、霊芝のレビューが示されています。