青少年のうつ病対策に用いられる医薬品とサプリメント@ドイツ 

さすがハーブ大国ドイツの論文である。
日本ではうつ病にハーブを使うといってもピンと来ないかもしれない。第一薬成分でうつ病が治るのだろうか?うつ状態は改善するかもしれないが、うつになった原因を直さない限り、治ることはないとおもう。

 それはうつに限らず現代医学の対症療法と原因療法をしようとする統合医療の違いである。

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今月の小児精神医学の専門ジャーナル(電子版)に、青少年のうつ病に対して、オフラベル(適応外処方)として用いられる医薬品やサプリメントの利用状況に関する調査研究が、ドイツのグループから報告されていました。(Eur Child Adolesc Psychiatry. 2013 Mar 3.)

小児や青少年を対象にした医薬品は多くはないため、オフラベル(適応外処方、off-label prescription)による利用が広く行われています。
例えば、ドイツでは、多くのSSRIおよびその他の抗うつ剤の処方は、小児や青少年のうつ病には認可されていません。(処方できるのは、2006年に認可されたフルオキセチン (Fluoxetine、プロザック)のみ。)

そこで、今回の研究では、小児や青少年のうつ病に対して、オフラベルによる処方やサプリメントの利用がどのくらい行われているのか、調べられました。
具体的には、後ろ向きコホート研究および横断研究として、17歳以下の2,599,685名のデータが解析の対象となりました。
その結果、小児における抗うつ剤の処方率は、
2004年の時点では、1,000名あたり1.84名(95 % CI 1.78-1.90)、
2005年の時点では、1,000名あたり1.57名(95 % CI 1.52-1.62)、
2006年の時点では、1,000名あたり1.66名(95 % CI 1.61-1.72)
という割合でした。

抗うつ剤を処方されている小児の半数以上(51.29 %)は、1種類の医薬品のみを処方されていました。
内訳は、
三環系抗うつ薬11,172名 (42.09 %)、
SSRIは9,179名 (34.58 %)、
セントジョーンズワートは4,371名 (16.47 %)、
その他が1,821名 (6.86 %)
でした。

抗うつ剤を投与されていた患者の半数(56.30 %)がうつ病疾患と診断されています。
13,035名 (49.11 %)にて、抗うつ剤はオフラベルで処方されていました。
病院勤務の専門医は、家庭医(GP)と比べて、オフラベルによる処方が2倍以上と多くなっています。
以上のデータから、
ドイツでは、小児のうつ病に対してオフラベルによる処方が広く行われており、セントジョーンズワートも利用されていることが示されています。

日本では、保健適応以外の抗うつ剤を投与しているという感じでしょうか。
米国のハーブ専門家によると、セントジョーンズワートは小児に対しても安全性が高く、広く利用されています。

(ただし、日本のメーカーとしては、公式に推奨することはできず、「うつ病と診断されている場合には、かかりつけ医に相談してください」、という回答にしかならないのですが。)

うつ病に対して、セントジョーンズワートは、SSRIなどの医薬品と同等の効果を有し、かつ、副作用は医薬品よりも少ないという特徴があります。
DHCでは、セントジョーンズワートを主成分とするサプリメントや、複合サプリメントを取り扱っています。(セントジョーンズワートは、単独の投与では、安全性と有効性の確立されたハーブです。
ただし、一部の医薬品との相互作用がありますので、医薬品との併用投与は避ける必要があります。)