αリポ酸の抗酸化作用による運動障害抑制作用

酸化ストレスを軽減すると言うことである。

運動は適度に行うのが健康には良いが、過度の運動の方が面白いという側面もある。例えば、格闘技である。体を傷つけ合い、相手を痛めつけるために自分の肉を切らせて骨を断つという、戦略が必要な世界だ。

 運動に関する価値観はそれぞれだから、何が良いとか悪いはないが、もし病気にならないための運動、健康お維持のため、健康増進のための運動という観点では、適度に心拍数を上げて、適度に成長ホルモンが出る筋肉の損傷が起きる運動が好ましいと思う。

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今月のスポーツ医学の専門ジャーナル(電子版)に、αリポ酸の抗酸化作用による運動時の酸化ストレス障害抑制作用を示した臨床研究が、イギリスのグループから報告されていました。(Med Sci Sports Exerc. 2013 Mar 6)

αリポ酸は、抗酸化作用を有する機能性成分の一つで、体内ではミトコンドリアで産生されます。
サプリメントとしてのαリポ酸は、抗酸化作用を介した機能性が示されており、
ダイエット目的からアンチエイジングまで、広く利用されています。

特に、欧米の臨床試験では、糖尿病性神経障害に対する症状改善作用が報告されています。
さて、今回の研究では、運動負荷時に生じる遺伝子損傷に対して、αリポ酸サプリメントの抗酸化作用を介した働きが検証されています。

(適度な運動習慣は、健康維持に有用ですが、過度な運動--例えば週末だけとんでもなく運動する習慣--は、活性酸素を過剰に発生させ、健康維持の点では逆効果とされています。)

具体的には、ランダム化二重盲検試験として、健康な男性12名(平均年齢28歳、身長177cm、体重81kg)を対象に、1日あたり1,000mgのαリポ酸(n=6)、あるいは偽薬(n=6)のいずれかを14日間投与し、下肢(膝関節)伸展運動負荷による影響が調べられました。
(minimum force = 200 N, speed of contraction = 60°/sec)

解析の結果、運動負荷によって、両群ともミトコンドリア中の酸化障害指標である8-OHdGの有意な増大(安静時との比較にてP < 0.05)、総抗酸化能の有意な減少(安静時との比較にてP < 0.05)
が認められました。

一方、αリポ酸サプリメント投与は、非投与群に比べて、血中抗酸化能の有意な増大をもたらし、
DNA障害(8-OHdG)や過酸化脂質の増加は、サプリメント非投与群においてのみ認められたということです。なお、運動負荷時の酸化タンパク質の増加は両群ともに見出されています。

以上のデータから、αリポ酸サプリメントの投与は、運動負荷時の遺伝子(DNA)酸化障害や脂質過酸化を有意に抑制することが示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。

DHCでは、大学との共同研究にて、DHCのコエンザイムQ10投与によって、運動負荷時の活性酸素による酸化障害の抑制作用を報告しています。
具体的には、トレッドミルを用いた60分間の持久走の負荷に際して、運動前の1週間、DHCのコエンザイムQ10 およびビタミンC、ビタミンEを摂取した群では、摂取しなかった群に比べて、尿中8-OHdG値の上昇が抑制(=運動による酸化障害の発生が抑制)されたというデータです。

運動習慣を有する場合、マルチビタミンマルチミネラルに加えて、コエンザイムQ10、αリポ酸、
ビタミンC(ハードカプセル)、ビタミンBミックスアミノ酸
を利用することが好ましいと考えられます。