今頃やっとこの検査ができるようになったという日本の検査である。
ヨーロッパで癌細胞に対しての抗がん剤の感受性検査があると聞いたのが今から4年ほど前のことだ。
カナダの学会に参加したときに聞いた。

そして、現在ではオーストラリア、ギリシアの検査会社に日本から血液を送ると血液でがん細胞の同定をして、そのがん細胞に効果的な抗がん剤やビタミンCなどの物質の感受性(何%効果があるのか)がわかる検査ができるようになっている。
それに比べるとまだまだ、日本の研究レベルは遅れていると考えざるを得ないだろう。

日本国内でもベンチャー企業があり、血液でがん細胞の発現率を検査できるところが出てきている。しかし、特定の癌の同定は難しいようだ。まだまだ日本の技術は未熟だといえるだろう。********************************************************
神戸大は12日、同大学院医学研究科の吉田優准教授らの研究グループが、1滴の血液で大腸がんを早期に診断できる「バイオマーカー(生物学的指標)」を発見したと発表した。これまで使われている腫瘍マーカーなどは、初期の大腸がん患者への感度が低く、早い段階で正確に診断できなかった。研究グループでは「5年以内の実用化を目指したい」としている。

 バイオマーカーは、病気の発症や薬を飲んだ際、体内に現れる生物学的変化を定量的に把握するための指標。特定の病気や体の状態に相関して変化する量を測定し、治療の効果を確かめたり、疾患の予防などに活用したりする。

 研究グループでは、混ざり合った複数の成分を分離する高精度の質量分析装置を使い、大腸がん患者と健常者の各血液中の代謝物質「メタボローム」の解析を実施。大腸がん患者に多く見られる有機物など4種類のバイオマーカーを発見した。これに基づいて大腸がんの診断予測式を作成し、がんの有無の確率を見た。

 その結果、既存の腫瘍マーカーでは診断が困難だった切除可能な早期大腸がんでも、80%以上の確率で大腸がんと診断することができた。検査時間も、1~2時間かかっていたが、30分に短縮できるという。

 吉田准教授は「必要な代謝物の組み合わせにより、うつ病や糖尿病など様々な疾患の診断に応用できる可能性がある」としている。

2012年7月13日  読売新聞)