高知市 統合医療 

超高濃度ビタミンC点滴療法の新たな働き

超高濃度ビタミンC点滴療法が日本に導入されたのが2年前だ。それから私も含めて日本でこの治療を受けられるクリニックは200を超えたそうである。

 これもひとえに点滴療法研究会の尽力のおかげだと考えている。私ももちろんそこで学ばせていただいている一員だが、研究会が定期的に発信する治療法の知識はアメリカの統合医療の最先端そのものである。

 そういったことを学ぶことができる環境を作っていただいていることに本当に感謝したいと思っている。会長の柳澤先生、本当にありがとうございます。

 そしてその柳澤先生がビタミンC点滴療法の2冊目の本を出版されたのでここでこのブログを読んでくれている方達に是非知っていただきたくお知らせしたいと思う。
 
超高濃度ビタミンC点滴療法ハンドブック

柳澤厚生著 角川SSコミュニケーションズ

である。点滴療法の実際はどのようにして行われるのか?またその効果や症例も多く掲載されている。

私のクリニックからも2症例を掲載させていただいた。詳細は是非読んでいただきたい。

7月の統合医学会ではビタミンC点滴がガンに効果があるだけではなく、がん細胞の血管新生を阻害することも新たに研究発表されていた。

今までは血管新生阻害薬といえば分子標的約という範疇に入る抗がん剤を示しており、一般的に有名な薬剤で言うとアバスチンやサリドマイドが有名である。

これらの薬剤にはがん細胞が新たな新生血管を作ることを阻害するという働きがあります。

 がんの成長には多くの栄養分が必要となるため、がん自身が周囲から血管を呼び込むことで栄養分を調達しています。その際に起こるのが血管の新たな誕生(血管新生)であり、その血管新生を阻害すれば「がんを兵糧攻めにできる」といった理屈であります。

しかし、実はビタミンCにも同じ働きがあることが人間機能回復センターのハニハイキ先生の研究から明らかにされました。
(このカンザス州ウイチタにある研究施設にこの10月に研究会があり出席してきます)

これが確実に実証されればビタミンC点滴は2重の意味でガンに効くことが明らかになったと言えます。

ビタミンCには実はまだ研究段階のさまざまな作用があります。ひとつは現在最も気になる感染症の新型インフルエンザにも効果があるのです。これはまだ研究段階ですが、以前からウイルスに対してビタミンCが効果があることは言われていました。

実際に身近な経験で言うと風邪を引いて発熱していてもビタミンCの高濃度の点滴を行うと熱が下がる症例を私も数例経験しています。また、がん患者さんで当院でビタミンC点滴を受けられている方が風邪を引いたのを見たことがないのです。

これだけでは単なる印象に過ぎませんが、我々の研究会の仲間からも同じような話を聞いており研究もされているとの事ですからある程度真実だと思っています。

また、ウイルスといえばC型肝炎やAIDSもウイルス性疾患になりますが、これらに対しても研究も進んでいるとの事です。いずれにしても、ビタミンCは非常に興味深い物質でかなりの臨床的な効果がありそうだと言えるでしょう。

これからも研究会を通じて、また実際に海外の学会や研究会にも足を運んで新たな治療法を見つけていきたいと考えています。