線維筋痛症の根本的治癒について

線維筋痛症とは全身に激しい痛みが生じる病気です。原因は不明で、通常の血液検査では異常が現れません。CT,MRI検査をしても異常がなく、この病気が診断できる特別な検査は今の所なく、治療法も確立されていません。

多くの患者さんは痛み止めも効かず、抗欝薬を内服することが多いのが現状です。そのため学校、職場に行くことができなくなる方もいます。抗欝薬、SSRI、抗不安薬、ブレガバリン、などの薬も開発されていますがなかなか効果を上げていないのも事実です。

根治は困難であり、対症療法すら成果を上げているとは言いがたい難病の一種といえるでしょう。しかし、この疾患は根本治療が必要で対症療法では副作用が多く生活の質が保てないといえるでしょう。

統合医療の考えでは激しい痛みは交感神経優位の状態であり、ここから副交感神経優位の状態にすることが根本療法の一つではないかと考えられます。交感神経緊張は、肉体的精神的ストレスによるものと考えられます。また、アメリカでは点滴療法のマイヤーズカクテル療法で治療開始24-48時間以内にエネルギーレベルの増加を感じ、活力と活動レベルが増加し、疼痛レベルは60%減少、倦怠度は80%減少したという報告があります。

Massey PB. Reduction of fibromyalgia symptoms through intravenous nutrient therapy: results of a pilot clinical trial. AlternTher Health Med. 2007;13:32-4.

 当院でも3例ほど経験していますが、いずれも寛解しています。たまに再発してこられた方もいましたがもうすべての患者さんが完全に良くなっています。

当院で行った治療内容は、食事制限(結構甘い制限)、マイヤーズ点滴、低容量ナルトレキソン内服、毛髪検査後のキレーション治療です。中にアトピーが酷い患者さんも居ましたがそのアトピーも脱血治療で寛解しました。

 (考察)上記の治療効果の中で対症療法はおそらくマイヤーズ点滴でしょう。ビタミン剤とミネラル剤の点滴で完治はしないと思われるからです。ただし効果は目に見えてあり、帰宅時には痛みが減少していました。また、根本治癒にいたったのは交感神経優位だったのが副交感神経優位になったことでした。これには色んな治療法があるでしょうが、運動することや汗をかくことを徹底して指導していたのでそれも良かったかも知れません。また、食事療法は血流を改善する意味では大きな効果があったと思います。

 血流が悪いことで抹消の組織に酸素と栄養が不足しそれによって活性酸素が発生すると考えられます。運動や汗をかくことはこの改善になったのだと思います。また、いずれの患者さんも毛髪検査で有害金属の蓄積がありました。この有害金属が体を酸化させ、神経に異常な興奮をもたらしていたかも知れません。というのも、我々が通常医療で見ている患者さんで「抹消神経性疼痛」という難病があります。CRPSやRSDと呼ばれる疾患がそうです。これらの疾患も抹消の血流の問題があります。手のひらに汗を大量にかいたり、手足の冷えが改善しないなどの症状があります。これもなかなか薬では改善しません。神経ブロックなどで若干改善が見られるので、血流は大きく関係していると思われます。

 有害金属の害についてはhttp://lbv.jp/case/osen.htmlを参照。