血糖値がたかいと認知症になりやすいのだが、血糖値を下げるだけで認知症が改善するわけでもなさそうである。

ウコンの働きのさらなる詳細がわかることを願っている。きっと面白いメカニズムで働いているのだろう。

 

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今月の臨床栄養学の専門ジャーナルに、糖尿病予備軍において、ウコン投与による記憶能の改善作用を示した臨床研究が台湾のグループから報告されていました。 (Asia Pac J Clin Nutr. 2014;23(4):581-91.) 血糖値が高いと認知症のリスクが高まることが知られており、糖尿病の合併症としての認知症対策が求められています。 今回の研究では、糖尿病予備軍において、ウコンとシナモンによる認知機能への影響が検証されました。 なお、シナモンは、先行研究において、血糖コントロール改善作用が示されており、ウコン/クルクミンは、認知症リスク低下作用が示されています。 具体的には二重盲検偽薬対照試験として、60歳以上の糖尿病予備軍患者48名を対象に、 (被験者は、新規に診断された、未治療の患者) ・ウコン(1g)投与群、 ・シナモン(2g)投与群、 ・ウコン1g+シナモン2gの併用投与群、 が、白パン(119g)の朝食と共に、投与されています 投与前後において、記憶能(ワーキングメモリ)、血糖値やインスリン値などの糖代謝関連指標、アルツハイマー病の指標であるアミロイド前駆体のレベルなどが測定されています。 解析の結果、記憶能の指標であるワーキングメモリは、ウコン投与群において、3.0のスコアで、2.6から2.9へ上昇(改善)したということです。(p=0.05) シナモン投与群では有意な変化はなく、併用によるシナジーも認められませんでした。 ワーキングメモリの改善は、インスリン抵抗性と有意な負の相関が見出されています。 (r=-0.418, p<0.01) なお、アルツハイマー関連指標には有意な変化は示されていません。 以上のデータから、糖尿病予備軍において、ウコン投与による認知機能改善作用が示唆されます。 今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。 機能性食品・サプリメントの中で、ヒト臨床研究によって、認知症改善作用が示されているのは、次の成分です。 イチョウ葉エキスによる認知症への効果:メタ解析 イチョウ葉エキス イチョウ葉エキス製剤による認知症の症状改善作用 イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ イチョウ葉エキスの有効性と安全性 イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用 イチョウ葉エキスと認知症治療薬のシナジー PS(ホスファチジルセリン)サプリメント PS(ホスファチジルセリン)による認知機能改善作用 エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイル エクストラバージンオリーブオイルによる認知症予防効果 大豆イソフラボンによる認知機能改善効果@メタ解析 ・ビタミンB群 ビタミンB群投与による脳萎縮(灰白質萎縮)抑制効果と認知機能低下抑制効果 脳萎縮進行抑制効果を示した臨床研究 オメガ3系必須脂肪酸とαリポ酸によるアルツハイマー病の進行抑制効果 一般に、認知機能への効果を期待する場合には、ビタミンB群、オメガ3系脂肪酸(EPADHA)、イチョウ葉エキスといったサプリメントを比較的長期間(数ヵ月以上)に利用することが必要と考えられます。 また、ウコン・クルクミンによる認知症改善作用も報告されています。 DHCでは、複合サプリメントも製品化しています。