オーストラリアでは放射線療法(がん治療における場合)を受けている患者さんの売り約45%が補完医療を受けていて、そのうち78%が心身医学、サプリメント療法、徒手療法を受けていた。

オーストラリアは実は統合医療の非常に有名な地域である。ここでは心身医学が非常に盛んであり、同時にサプリメントや点滴療法も行われている。いまやアメリカでも心身医学は大きな流れになっており、サプリメントや点滴療法をしのぐエビデンスもたくさん出てきている。私は最近になって、この心身医学の重要性は今までの薬物療法やサプリメント療法、点滴療法をしのぐものもあると感じ始めている。

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今月の緩和医療腫瘍学の専門ジャーナル(電子版)に、放射線療法を受ける患者での補完代替医療(CAM)利用状況が、オーストラリアのグループ(University of Melbourne)から報告されていました。
(Support Care Cancer. 2014 Jan 19.)

今回の研究では、オーストラリアにおいて、放射線療法を受ける患者を対象に、補完代替医療(CAM)の利用状況が調べられています。
具体的には、4カ月間にわたりCAM利用と医療従事者(腫瘍専門医)への申告について、質問票を用いた調査が行われました。

対象となった患者170名のうち、152名から回答が得られました。(回答率;89.4 %)
152名中69名(45.4 %)が、現在のCAM利用者でした。
69名のCAM利用の内訳は、
心身医学(n = 54, 78.3 %)、(サプリメントなどの)生物学的療法(n = 54, 78.3 %)が多く、徒手療法 (n = 44, 63.8 %),
(伝統医療などの)代替医療システム(n = 7, 10.1 %)、
エネルギー療法(n = 5, 7.2 %)となっています。

最も広く利用されていた療法は、ビタミン・ミネラルのサプリメント(n = 33, 47.8 %)
マッサージ療法(n = 18, 26.1 %)でした。

一方、利用しているCAM療法について、放射線腫瘍医に申告/相談していた被験者は29名にすぎませんでした。
以上のデータから、オーストラリアの放射線治療がん患者ではCAMが比較的利用されていることが示唆されます。
補完代替医療は、がん治療と併用することによって、副作用の軽減やQOL向上が期待できる療法もありますので、主治医と相談しつつ、利用することが好ましいと考えられます。