エクストラバージンオリーブオイルの健康成分

選ぶオイルでこうも健康に対する影響が違う、選ぶべきはオリーブオイルだろう。地中海式の食事の効果も考えると、よく出来た食事だと思う。ただし、ギリシアやイタリア人たちが特に長寿ではないのは食事だけが良くても長寿にはならないことでもある。

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今月の抗加齢医学の専門ジャーナル(電子版)に、エクストラバージンオリーブオイルの機能性成分に関する総説が、報告されていました。(Rejuvenation Res. 2013 Nov 12.)

オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用、動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。

オリーブオイルを多く使用する地中海食は、健康長寿に有用であることが医学研究によって支持されています。(健康にいいというエビデンスが多いのは、和食ではなく、地中海食です。)

さて、今回の総説では、
まず、
地中海食の疾病予防効果は、エクストラバージンオリーブオイルに含まれる機能性食品成分の働きによるところが大きいと考察しています。

オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸に分類される脂質です。
エクストラバージンオリーブオイルには、オリーブ由来の様々なポリフェノールが含まれています。

具体的には
オレユロペンoleuropein,
ヒドロキシチロソールhydroxytyrosol,
チロソールtyrosol
オレオカンタールoleocanthal,
などです。

これらのオリーブポリフェノールは、
抗酸化作用や抗炎症作用を有しており、健康保持および疾病予防に作用します。

非臨床研究では、ポリフェノール高含有のエクストラバージンオリーブによる抗炎症作用および抗酸化作用が示されており、ヒドロキシチロソールやオレオカンタールでは、プロスタグランジン産生に関与するCOX-1 およびCOX-2の阻害作用が見出されています。

また、オレユロペンは、ラディカルスカベンジャーとして作用し、LDLコレステロールの酸化を抑制します。

さらに、論文著者らによる臨床研究では、若年者及び高齢者のいずれの群でも、エクストラバージンオリーブ投与によって、
免疫や炎症、酸化障害に対する効果が見出されたということです。

その他、長寿に関連して、糖代謝に関与する遺伝子発現への影響も示されています。
本総説において論文著者らは、エクストラバージンオリーブオイルは、精製されたオリーブオイルと比べて、オリーブ由来ポリフェノールが豊富に含まれており、それらの抗炎症作用や抗酸化作用によって、
生活習慣病の予防に有用である、と考察しています。

地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。
野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。
地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。
例えば、

地中海食で死亡率が半減するという研究があります。
地中海食をベースに、エクストラバージンオリーブオイル、あるいはナッツ類を組み合わせた介入試験について、最近では次のような研究が報告されています。

心臓病高リスク群に対する地中海食+エクストラバージンオリーブオイルの心臓病抑制効果
エクストラバージンオリーブオイルによる認知症予防効果
地中海食+エクストラバージンオリーブオイルによる認知機能改善作用
地中海食による血中総酸化能の亢進効果
バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用