地中海食によるコレステロール分画改善作用 

日本が誇るゴマ油はなかなかデータが出てこないようであるが、一方オリーブオイルの効能はずいぶんとあるようだ。
子rだけデータがそろっており、おいしいサラダにかけるドレッシングにも利用できるとあっては使わない手はない。
私も家で食べるサラダにはぼりー部オイルを使っている。もちろん有機のエクストラバージンだ。
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今月の動脈硬化研究の専門ジャーナル(電子版)に、地中海食による脂質代謝改善作用を示した研究が報告されていました。(Atherosclerosis. 2013 Oct;230(2):347-53)

地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。
野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。

オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用、動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。

地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。
例えば、地中海食で死亡率が半減するという研究があります。

さて、今回の研究では、エクストラバージンオリーブオイルあるいはナッツ(種実)類を加えた地中海食について、動脈硬化関連指標への作用が調べられました。
(PREDIMED研究の一環です。先行研究では、心臓病リスク低下効果が示されています。)

具体的には、PREDIMED研究のサブコホート解析として、169名を対象に、
・地中海食+エクストラバージンオリーブオイル投与群
・地中海食+ナッツ類摂取群
・対照群(脂肪の摂取量を減らすように指導を受けた低脂肪食群)
の3群のいずれかを割り当て、1年間の介入前後で、

血中リポタンパク質分画への影響が測定されています。

解析の結果、
地中海食+ナッツ類摂取群では、

ウエスト周囲径の有意な減少(改善)、(平均;-5 cm, 95% CI; -7; -3)
中小型LDLの有意な低下(改善)、(-27 nmol/l [-46; -8])

超悪玉LDLの有意な低下(改善)、(-111 nmol/l [-180; -42])

LDL粒子数の減少(-98 nmol/l [-184; -11])

大型LDL値の増加(脂質分画の改善)(54 nmol/l [18; 90])LDL全体でのサイズの増加、(0.2 nmol/l [0.1; 0.4])
が認められました。

地中海食+エクストラバージンオリーブオイルあるいはナッツ(種実)類の介入群では、
HDLコレステロール値が有意に増加(改善)しました。
(それぞれ0.6 μM [0.0; 1.1], 1.0 μM [0.4; 1.5])

以上のデータから、地中海食+エクストラバージンオリーブオイルあるいはナッツ(種実)類によって、
血中のリポプロテイン分画の改善作用が示唆されます。

地中海食の健康効果を調べたPREDIMED研究では、次のような効果が報告されています。
心臓病高リスク群に対する地中海食+エクストラバージンオリーブオイルの心臓病抑制効果
エクストラバージンオリーブオイルによる認知症予防効果
地中海食+エクストラバージンオリーブオイルによる認知機能改善作用
ワインの摂取がうつ病リスクを抑制
ナッツ(種実)類の摂取による死亡率の低下作用
地中海食による血中総酸化能の亢進効果