オリーブオイルが心血管リスクの低減に関連することが報告されている。

食事が体に与える影響は非常に大きいと言えるだろう。

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今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、オリーブオイルの利用状況と心血管リスクとの関連を調べた疫学研究が、スペインのグループ(CIBERDEM)から報告されていました。
(Eur J Clin Nutr. 2013 Jul 17.)

オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用、動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。

スペインでは、近年、心血管疾患のリスクが顕著に増加しているにも関わらず、心血管疾患の罹患率はそれほど増加しているわけではない、ということです。
そこで、今回の研究では、オリーブオイルの消費と、心血管リスクファクター、糖代謝異常との関連が調べられました。

具体的には、スペインでの横断研究として、4,572名を対象に、生活習慣、体組成の測定、糖負荷試験(75gOGTT)が行われています。
解析の結果、まず、約90%の人がオリーブオイルを利用していました。
ドレッシングが多く、次に調理オイルや揚げ物への利用が続いています。

次に、オリーブオイルの利用は、
年齢、教育、飲酒、BMI、血糖値、血中インスリン値、脂質との相関が見出されました。
ひまわり油(サンフラワー油)利用群と比べて、オリーブオイル利用群では、肥満のリスクが38%低値であり、(OR=0.62; 95% CI=0.41-0.93, P=0.02)

耐糖能異常のリスクが51%低く、(OR=0.49 (95% CI=0.28-0.86, P=0.04))
脂質異常症のリスクが47%低く、(OR=0.53 (95% CI=0.33-0.84, P=0.03))
HDL(善玉)コレステロールの低値が60%低い(OR=0.40 (95% CI=0.26-0.59, P=0.0001))
という相関が認められました。

以上のデータから、オリーブオイルの利用は、肥満、糖代謝異常、脂質異常といった心血管リスクの低下と有意な相関があることから、心血管疾患の予防に有用であると考えられます。