クロレラによる抗酸化作用@喫煙者 

クロレラでなんでも治ると宣伝している会社もあるようだが、抗酸化作用はあるようである。しかし、まずは禁煙などの悪いものを取り除くリスクリダクションの方が優先だろう。

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臨床検査学の専門ジャーナルに、クロレラによる抗酸化作用を示した臨床研究が報告されていました。
(Clin Lab. 2013;59(5-6):579-87.)
クロレラ(Chlorella species)は、淡水産の藻の一種です。
タンパク質やアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類といった栄養素が豊富であり、抗酸化作用のある葉緑素(クロロフィル)の含有量も多いことから機能性食品素材/サプリメント成分として利用されています。

喫煙者では、酸化障害が生じ、あらゆるがんをはじめとする生活習慣病のリスクが高いことが知られています。そこで、今回の研究では、喫煙者において、クロレラによる抗酸化作用の働きが検証されました。

具体的には、喫煙者38名(平均年齢37.11 ± 1.69 歳; 女性: 18.4%)を対象に、
1日あたり3,600mgのクロレラ(Chlorella vulgaris)抽出物を6週間投与し、
投与前後で酸化ストレス関連指標が測定されました。

解析の結果、血中抗酸化指標(ビタミンC値、ビタミンE値、グルタチオン)はいずれも有意に上昇し、
(p < 0.001)
過酸化脂質の指標であるMDA値は有意な低下を示しました。(p = 0.002)

以上のデータから、クロレラ抽出物の投与は、酸化ストレスが亢進した喫煙者において、
抗酸化ビタミンの上昇、抗酸化物質の増加、過酸化脂質の低下をもたらすことが示唆されます。

今後、疾病リスク低減など臨床的意義の検証が期待される分野です。
(なお、クロレラをサプリメントでとるよりも、禁煙するほうが優先でしょう。)