フコイダンによる高脂肪食誘導性肥満の抑制作

高脂肪職を食べなければいいのではないかと突っ込みを入れたくなる話でもある。
しかし、多くの人は高脂肪で高炭水化物でおいしいものを食べたいという欲求と太りたくはない、できれば健康でいたい、という矛盾した欲求にまみれている。

そこで、長期的に考えて健康によい意食べ物を食べようと思える人はごくわずかである。たとえば、ドレッシングをかけずに生野菜を食べる。これほどおいしい、健康的な食べ物があるだろうか。また、毎日定期的に体を動かす習慣をつけることは人生で最高の価値であるといってもいいだろう。いずれも長期的に体のためにもなるし、実は精神的な健康にももっとも効果的なものである。

しかし、おおくの人はその場限りの快楽に目を惑わされる。特に食事は楽しみでもある。栄養補給というカテゴリーだけには入らないものである。
だから体に悪いと判っていても甘くて油いっぱいの食べ物をほしがり、そして、お菓子を食べても健康にしてくれる魔法のサプリメントを期待している。
だが、多くの場合期待したほどの効果は得られない。いや、短期的には許容できる効果が得られてうれしい感情に満たされるが長期的に見たならば、それはあまりよい結果にはならない。

というのはダイエットや食事と健康に関する問題だけではなく、その考え方にはおおきな欠点があるからである。
人生において、仕事においても、何らかの成功を求めるならば目先をごまかして短期的な結果を求めては成功はできない。
これはビジネスをしている人ならば誰でもわかるだろう。

受験生でも自分の限界を超えた目標を達成するときにはこの考え方は必要である。
短期的な快楽は長期的な毒である。

と私は考えている。

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今月の植物療法の専門ジャーナル(電子版)に、高脂肪食負荷時の肥満に対するフコイダンの作用を示した基礎研究が報告されていました。(Phytother Res. 2013 Apr 12.)

フコイダンは、モズクやワカメ、昆布などの海藻類に存在する多糖類です。
海藻のヌルヌルした成分の一つで、生活習慣病等に対する効果が報告されています。
さて、今回の研究では、食事誘導性肥満モデルマウスを用いて、フコイダンの抗肥満作用が調べられました。

具体的には、マウスを用いて高脂肪食を5週間負荷し、その後、
・標準対照食投与群、
・高脂肪食投与群、
・高脂肪食投与+1%フコイダン併用投与群、
・高脂肪食投与+2%フコイダン併用投与群
の4群(各群n=10)
について、比較が行われています。

解析の結果、高脂肪食投与群に比べて、フコイダン投与群では、体重増加の抑制と内臓脂肪の蓄積抑制が認められたということです。

また、フコイダン投与群では、血中の中性脂肪値の有意な低下、総コレステロール値、LDL地の有意な低下が示されました。

さらに、フコイダン投与によって、
脂肪細胞でのPPARγ遺伝子の発現抑制といった変化も見出されています。

以上のデータから、
フコイダンの投与は、高脂肪食負荷時の肥満に対して抑制作用を示すと考えられます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。

フコイダンは、フコースを主成分として硫酸基やウロン酸などが結合した多糖類(硫酸化ポリフコース多糖類)の総称です。
原材料となる食用褐藻類(オキナワモズク、フトモズク、ヒバマタ、メカブ等)の種類によって、フコイダンの種類や含有量が異なっており、生理作用にも違いがあるとされます。

基礎研究では、フコイダンの抗酸化作用、アポトーシス誘導による抗がん作用、抗菌作用等が示されてきました。
その他、胃粘膜保護作用や胃潰瘍治癒促進作用についての報告も知られています。