医療崩壊が近いとテレビで騒いでいる。それは本当だろうか?以下のデータからわかることは人工呼吸器の数の1%しか使われていないのに、崩壊するすると騒いでいる異様さだ。
民間の病院が風評被害を恐れてコロナ患者を診療しない、入院させないのだその理由だとこの記事は言っている。それはある意味本当だろう。
そもそも世界でも病所数が最も多いのに、人工呼吸器も沢山余っているのに使われていないことを考えたら、緊急事態に利用できる行政命令もしくは法律を制定し、民間病院を利用するしかないだろう。
現在患者数の減少で困っている病院は多いのだから、所得の補償の意味でもコロナ患者を診療するインセンテイブをつけることが一番だと思う。
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日本医師会が「医療緊急事態」で騒ぐ本当の理由(JBpress) - Yahoo!ニュース
日本医師会が「医療緊急事態」で騒ぐ本当の理由

(写真はイメージです/Pixabay)
(池田 信夫:経済学者、アゴラ研究所代表取締役所長) 12月21日、日本医師会など9団体は、異例の医療緊急事態宣言を出した。それによると「このままでは、新型コロナウイルス感染症のみならず、国民が通常の医療を受けられなくなり、全国で必要なすべての医療提供が立ち行かなくなります」という。 たしかに医療現場は大変だろう。感染が拡大していることも事実だが、ヨーロッパでは感染爆発が起こっている。それよりはるかに死者の少ない日本で、医療が崩壊するというのは本当だろうか。 ■ コロナ患者の診療拒否は合理的 まず日本の現状を数字でみてみよう。図1のようにヨーロッパでは人口10万人あたりの累計死者が100人に達するのに対して、日本は2.4人。ほぼ40分の1である。日本で医療が崩壊するなら、ヨーロッパは全滅しているだろう。 他方で日本の医療の水準は高く、人口あたりベッド数はOECD平均の3倍で世界一だ。コロナで人工呼吸の必要な重症患者は全国で約450人に対して、人工呼吸器は4万5000台。全国的には、重症患者が医療資源の限界を超えることは考えられない。 ではなぜ医療が逼迫しているのだろうか。1つの原因は、医師の数がOECD平均の70%と少ないことだ。次の表は感染症指定医療機関の対策病床使用率で、東京都の使用率は94%、大阪府は98%と逼迫している。 しかし全国では50.3%と、ほぼ半分があいている。兵庫県は54%、奈良県は44%、和歌山県はわずか5%なので、近隣の病院から大阪府に医師や看護師が応援するか、患者を近隣の指定医療機関に移送すればいいのだが、それはできない。医療法では、都道府県知事が医療機関に指示・命令できないからだ。
■ 行政が民間病院に指示できない特殊事情 医師法の「応召義務」にも罰則がなく、昨年(2019)末に厚労省が「第1類・第2類相当の感染症については診療拒否できる」という通知を出したので、指定感染症(第1類相当)に指定されたコロナ患者の受け入れを拒否することは、民間病院にとっては合法的かつ合理的なのだ。 このため大阪府の吉村知事は、2次救急病院にコロナ患者の受け入れを要請した。公立病院は行政が受け入れを指示できるが、民間の病院は患者を受け入れる義務はないので、行政は「お願い」するしかない。 この背景には、公立病院が少ない日本の特殊事情がある。次の図2のように日本の医療機関数(2014年)は8442と先進国では突出して多く、しかもそのうち公立病院が20%しかない。公立病院の人員配置は国や自治体が指示できるが、民間病院には指示できないのだ。 ヨーロッパでは60~90%が公立病院である。アメリカは22%で日本とほぼ同じだが、公的医療保険が整備されていない。日本のように国民皆保険で国が医療費の7割以上を負担する国で、民間病院がこれほど多いのは奇妙である。 これは戦後復興の時期に、日本の医療が開業医中心に急いで整備され、彼らが地域の中で大きな影響力をもって公的病院の整備を阻止したためだ。ベッドや検査機器の保有台数が多いのも、このように中小企業が多いためだ。 民間病院は経営努力する点ではいいが、感染症のような緊急事態では、行政のコントロールが難しい。医療法にも医師法にも行政が民間病院に命令する法的根拠がないので、コロナは指定感染症に指定して国が規制している。