汗をかくよりもキレーション療法が有効である

「汗をかいてデトックス」はウソだった、研究報告:発汗により排出される毒素の量を分析した。2018.04.13

 

発汗する事、汗をかくことで毒素を抜いて健康になるといろんなところで宣伝しているが、実際に検証してみると、有害化学物質の汗の中に排泄される量は極めて少量であり、摂取量の1%にも満たないことがわかっている。その百倍以上の解毒能力を発揮するのがキレーション点滴である。

 

当院でも遠赤外線治療を行っているがこれは、HSPと言う物質の生成によって免疫力を高めたり、代謝を高めることが目的であって解毒が目的ではない。解毒に役立つのはキレーション点滴とグルタチオン点滴だろう。

 

一般的な健康目的の遠赤外線ドームによる施術は発汗する事とHSPの効果しかないことをはっきりさせておくほうが良いだろう。

 

**************************************

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/041200164/?P=2

発汗は、今や健康や美容のトレンドになっている。遠赤外線サウナからホットヨガまで、タオルが汗でびっしょりになるアクティビティはリラクゼーション効果があるだけでなく、体の毒素を排出して健康を保つとも言われている。

 

だが、汗をかいて毒素を排出するという説は、汗をかいて弾丸を搾り出すというのと同じくらいありえない話であることが、最新の研究で明らかになった。科学者たちも長年密かに疑っていたことだが、汗と一緒に毒素も排出されるというのは、都市伝説に過ぎなかった。

 

人間が汗をかくのは体温を下げるためであって、老廃物や有毒物質を排出するためではない。その役目を負うのは、腎臓と肝臓である。もちろん、都市伝説の中にも一粒の真実はあるものだ。この場合も例外ではない。汗の成分の大部分は水とミネラルだが、様々な種類の有毒物質も含まれている。

 

ただし、学術誌「Environment International」に掲載された研究報告によれば、その量はごくわずかだという。

 

「どの程度の量かということは、常に問うべきです」と、化学者のジョー・シュワルツ氏は言う。「汗を分析すると多くの物質が見つかりますが、化学物質があるからと言って必ずしも危険なわけではありません」

 

シュワルツ氏は、カナダ、マギル大学の科学社会事務局長を務めている。科学に関する都市伝説を検証する同局には、医療詐欺やエセ療法に関する問い合わせが山のように寄せられているという。そのなかには、体のデトックスをうたったものも数多い。

 

では、汗の中にはどれほど有害な物質が含まれているのだろうか。

 

ほとんどの汚染物質に関しては、その量はあまりにわずかで、あってもなくても変わらないと、今回の研究を率いたパスカル・インベルト氏は言う。インベルト氏は、カナダ、オタワ大学の運動生理学者で、体脂肪に蓄積する汚染物質の研究をしている。

 

これらの物質は「残留性有機汚染物質」と呼ばれ、農薬、難燃剤、そして現在は禁止されているもののまだ環境中に残っているポリ塩化ビフェニル(PCB)などがある。食品や環境中に存在する「毒」と一般に考えられているが、脂肪に引き寄せられる性質があるため、大部分が水でできている汗には溶けにくい。(参考記事:「有毒物質PCBへの耐性を獲得した魚」)

 

インベルト氏と研究仲間が調べた結果、普通の人が145分間の激しい運動を行ったとしても、1日の発汗量はせいぜい2リットルほどだった。これには、運動していない平常時の発汗も含まれる。そして、それだけの汗をかいても汚染物質は0.1ナノグラム以下しか含まれていない。

 

言い換えると、「普段の食生活で体内に取り込む汚染物質のうち、汗で出る量は0.02%に過ぎません」と、インベルト氏は言う。さらに運動を激しくしたとしても、0.04%程度までしか増えない。

 

つまり、どんなに大量の汗をかいたとしても、その日体内に摂取した汚染物質の1%すら排出できないということだ。

 

ただし、ほとんどの人間の体内にある農薬やその他の汚染物質の量自体、極めて微量であるということも覚えておいてほしい。分析化学者の功績により、今では1 兆分の1単位で物質を検出できるようになったが、だからといってそのわずかな物質がすぐさま有害であるとか、減らせば健康に良いといった話にはならないと、シュワルツ氏は言う。(参考記事:「米国 汚染地に暮らす」)

 

それでも人気の「発汗デトックス」

 

話を一粒の真実に戻そう。重金属やプラスチックに含まれるビスフェノールABPA)は水に溶けやすい性質のため、ごくわずかの量が汗の中に含まれている。しかし、血中から高濃度の金属を除去するにはもっと効果的な方法がある。例えば、キレーション療法と呼ばれるものがそれだ。また、BPAは汗よりも尿と一緒に排出される量の方が多い。米国立環境衛生科学研究所によると、BPAへの曝露を減らす最も効果的な方法は、それで作られた容器から食べたり飲んだりしないことだという。(参考記事:「欧米で回避されるBPA、代替物質も有害?」)

 

一方、発汗デトックス産業の勢いは止まらない。最新の流行は、遠赤外線サウナだ。電気ヒーターや蒸気ではなく、遠赤外線の光を熱源とする。米総合誌「The Atlantic」の記者は、遠赤外線サウナによるデトックス効果の宣伝文句について調査したところ、すぐに実際の科学に基づいたものではないことが明らかになった。

 

だが、スパやサウナのメーカーは依然としてデトックス効果を宣伝し続けている。米テキサス州とインディアナ州の消防署でも、消防隊員が煙を浴びて体内に取り込んだ化学物質を汗と一緒に排出し、がんも予防できるとして、遠赤外線サウナを購入した。サウナには鎮静作用など様々な効果はあるが、がんを予防できるという宣伝文句は科学的に実証されていない。

 

そればかりか、やりすぎると命取りになることさえある。

 

カナダのケベックで35歳の女性が、デトックス・スパトリートメントを受けた。泥パックをしてラップで包まれ、頭に段ボール箱をかぶせられ、毛布にくるまって9時間横になり汗をかき続けた。それから数時間後、熱中症により女性は死亡した。

 

シュワルツ氏は、次のように話す。「昔からよくあることですが、複雑な問題に単純な解決法を適用しようとした結果です。希望を持つことはとても大切ですが、一部の人間は、その希望を利用して何も知らない消費者にとんでもないものを売りつけようとするのです」