ヴィーガン食は全がんリスクを15%低下させる:メタ解析

僕はベジタリアンではありません。家では肉や乳製品は取りませんが、外食時や会食時には自分から注文しない場合でも肉類が出たら食べます。比較的ベジタリアンチックな食事だと思います。

食事の重要性はわかりますが、おいしい食事を頂くのが魂レベルの自然治癒力を上げると思うので、あまりに厳しい食事、おいしいと思えない食事はしないようにしています。

また、週に一度の断食は去年一年間で52日できました。断食もつらさがなくなって来たので今年も続ける予定ですが、食事にもあまりおいしいものを欲しがる気持ちはなくなってきています。

ベジタリアンは長寿で慢性疾患もなりにくいのでお勧めですが、ベジタリアン職を楽しめるようなメニューを自分で知っておくことが大切ですね。

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今月の食物科学の専門ジャーナル(電子版)に、ベジタリアン食およびヴィーガン(ビーガン食)による健康アウトカムへの影響を検証したメタ解析が、イタリアのグループから報告されていました。

(Crit Rev Food Sci Nutr. 2016 Feb 6)

 

今回の研究では、ベジタリアン食、ヴィーガン食と慢性疾患リスク、全死亡率、主要疾患別の死亡率が調べられました。

 

具体的には、 主要医学データベースを用いて、

(Medline, EMBASE, Scopus, The Cochrane Library, Google Scholar)

横断研究86報 前向きコホート研究10報が抽出されました。

 

解析の結果、まず、 非ベジタリアン食に比べて、ベジタリアン食およびヴィーガン食では、

BMIの有意な減少、総コレステロール値、LDL値、血糖値の有意な低下が見出されました。

 

前向きコホート研究からのデータ解析によると、

虚血性心疾患の罹患率および死亡率が25%低下、(RR 0.75; 95% CI, 0.68 to 0.82)

全がん罹患率が8%低下、(RR 0.92; 95% CI 0.87 to 0.98)

という相関が見出されています。

 

なお、心血管疾患及び脳血管疾患、全死亡率、がん死亡率、部位別のがんでは有意な関連は示されていません。

ヴィーガン食に関する解析では、 全がん死亡率の15%低下という相関が示されました。(RR 0.85; 95% CI, 0.75 to 0.95)

 

以上のデータから、ベジタリアン食による虚血性心疾患の罹患率及び死亡率の25%低下、 全がん罹患率の8%低下、

ヴィーガン食による全がん罹患率の15%低下作用が示唆されます。

 

これまでの多くの研究によって、ベジタリアン食摂取群では、非ベジタリアン食摂取群よりも、生活習慣病リスクが低いことが知られています。

ベジタリアン食による心血管疾患リスク低下作用

ベジタリアン食による血圧低下作用@メタ解析

なお、ベジタリアン食であれば何でも健康的になる、というわけではありません。

(例えば、野菜はナシで、パスタにチーズ、パンの組み合わせでも、ラクトオボにはなりますが。)

 

もちろん、栄養学的にバランスの取れた、適切なベジタリアン食を摂取することが重要です。

 

一般に、植物性食品の摂取が多いベジタリアン食では、ファイトケミカル・ポリフェノールの摂取が多く、抗酸化作用を介した生活習慣病の予防効果が想定されます。

 

北米の栄養士会が共同で発表した見解によると、「適切に準備されたベジタリアン食は、健康に有益であり、必要な栄養素を満たしており、いくつかの疾患の予防や治療にも利点がある」とされています。

 

実際、これまでの疫学研究によって、肉食をする人々に比べて、ベジタリアンでは生活習慣病が少ないことが示されています。

 

ベジタリアン食による具体的な効果として、肥満、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病、前立腺がん、大腸がんの発症リスクが低下します。

 

また、日本人ベジタリアンを対象にした調査でも、ベジタリアンは、非ベジタリアンと比べて、体格指数(BMI)、血圧、血中総コレステロール値、中性脂肪値が有意に低いことが見出されています。