破骨細胞とは増骨細胞の反対の働きをする細胞です。この二つの細胞のバランスで骨が増えたり減ったりします。若いころは増骨細胞が元気なのですが、加齢に従い徐々に破骨細胞が元気になります。

現在骨粗鬆症の治療薬でこの破骨細胞の働きを抑制するものと、増骨の働きをする副甲状腺ホルモン薬とが2大治療法となっています。通常人間は成長して成人となり、女性は出産すると子育てし、更年期を迎えてから 徐々にこの破骨細胞が活性化し増骨細胞は衰えてゆき、骨密度が下がってゆきます。

今回の実験では宇宙空間に長期滞在すると、破骨細胞の働きが闊達になり、かつ遺伝子の働きにも異常が出ると言う事だそうです。

重力がないことが原因なのか、宇宙空間に漂う素領域に存在する「何者」かが体内の細胞に働いて、破骨細胞の活性化と遺伝子異常が起きていると言う事です。

もともとの遺伝子のプログラムが老化=死となっており、無重力ではそのプログラムにスイッチがはいるのでしょう。

*********************************

読売新聞 924()1725分配信

重力がほとんどない国際宇宙ステーション(ISS)で飼育したメダカは、骨を分解する「破骨細胞」の働きが強まり、骨密度が減少していたとする研究成果を、東京工業大の工藤明教授(骨生物学)らの研究チームがまとめた。  英科学誌サイエンティフィック・リポーツに論文が掲載された。  宇宙滞在中の飛行士も骨密度が減少するが、メカニズムはわかっていなかった。人間も同じ仕組みで骨が分解されると考えられ、研究チームは「宇宙に長期滞在する飛行士の健康管理のほか、高齢者の骨粗しょう症の予防への活用が期待できる」と指摘している。  実験に使われたのは、2012年にロシア宇宙船ソユーズでISSに打ち上げられ、約2か月間飼育された後、地上に戻ったメダカ16匹。研究チームが宇宙で飼育されたメダカの喉の奥にある骨を詳しく調べたところ、地上のメダカよりも破骨細胞の働きが活発になり、骨密度が約2割減っていることがわかった。遺伝子の働きにも一部、異常が見られた。

最終更新:924()1726