アマニ油の抗酸化作用や抗炎症作用が血圧低下作用やその他の炎症を抑制する作用があることが解っている。これが癌治療や難病治療にも効果を発揮している。薬と違って副作用がないことがメリットである。現状ではアマニ油は酸化しやすいので、使い方、保存方法が難しいという声もある。

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臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、フラックスシード(亜麻仁)オイル(油)による高血圧改善作用を示したメタ解析が、欧州のグループから報告されていました。 (Clin Nutr. 2015 May 29.) (メタアナリシス(meta-analysis)とは、複数のランダム化比較試験の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことである。メタ分析メタ解析とも言う。メタアナリシスは、根拠に基づいた医療において、最も質の高い根拠とされる)

フラックスシードオイル(亜麻仁油)は、α-リノレン酸が豊富であり、抗炎症作用などの機能性が示されています。ベジタリアン向けのサプリメントとして、EPAやDHAの代わりにも広く利用されています。 フラックスシード(亜麻仁・あまに)は、α-リノレン酸の他、リグナン類、食物繊維なども含まれています。さて、今回の研究では、フラックスサプリメントによる血圧に対する影響について、系統的レビューとメタ解析が行われています。

具体的には、2015年2月までに、主要医学データベース(PUBMED, Cochrane Library, Scopus, EMBASE)に掲載された、フラックスシードサプリメントによる血圧への作用を調べたRCTが対象となり、 15報、1,302名の被験者がメタ解析の対象となりました。 解析の結果、フラックスシードサプリメントの投与によって、 収縮期血圧の有意な低下、(WMD: -2.85 mmHg, 95%CI: -5.37 to -0.33, p = 0.027) および拡張期血圧の有意な低下(WMD: -2.39 mmHg, 95%CI: -3.78 to -0.99, p = 0.001) が見出されています。 投与期間についての層別解析では、12週間以上の投与において、より顕著な降圧作用が認められました。12週間以上の介入群:(WMD: -3.10 mmHg, 95%CI: -6.46 to 0.27, p = 0.072 and -2.62 mmHg, 95%CI: -4.39 to -0.86, p = 0.003, respectively) 12週間未満の介入群:WMD: -1.60 mmHg, 95%CI: -5.44 to 2.24, p = 0.413, and -1.74 mmHg, 95%CI: -4.41 to 0.93, p = 0.202, respectively) また、フラックスシードサプリメントの介入方法(形状)についての層別解析では、収縮期血圧の降圧効果は、フラックスシードパウダーにおいて有意でしたが、(WMD: -1.81 mmHg, 95% CI: -2.03 to -1.59, p < 0.001) オイルでは有意差は認められず、(WMD: -4.62 mmHg, 95%CI: -11.86 to 2.62, p = 0.211) リグナン抽出物でも有意差は示されませんでした。 (WMD: 0.28 mmHg, 95% CI: -3.49 to 4.04, p = 0.885) 一方、拡張期血圧は、パウダーとオイルによる介入にて、有意差が認められ、 (WMD: -1.28 mmHg, 95% CI: -2.44 to -0.11, p = 0.031, and -4.10 mmHg, 95%CI: -6.81 to -1.39, p = 0.003, respectively) リグナン抽出物では有意差は示されませんでした。(WMD: -1.78 mmHg, 95% CI: -4.28 to 0.72, p = 0.162). 以上のデータから、フラックスシードによる降圧作用が示唆されます。 先行研究でも同様の結果が示されています。 フラックスシード(亜麻仁)による降圧作用:メタ解析 近年の研究によって、DHAやEPAといったオメガ3系脂肪酸が、動脈硬化抑制作用や抗うつ作用など多彩な働きを有することが示されています。 一般に、青魚がDHAやEPAの豊富な食材として知られており、オメガ3系脂肪酸の供給源として魚油サプリメントが利用されます。 一方、体内の代謝経路では、アルファリノレン酸がEPAおよびDHAの前駆体であることから、魚類の摂取が少ない場合の代替サプリメントとして、亜麻仁油(フラックスシードオイル)などが推奨されることがあります。 ただし、体内では、アルファリノレン酸からEPA,DHAへの転換効率が低いため、臨床的に有意な量が摂取できるかどうか、議論が続いています。 (なお、EPAやDHAの前駆体であるという以外に、アルファリノレン酸には、独自の作用もあると考えられます。サプリメントの研究では、アルファリノレン酸としての投与による働きも報告されています。) DHCでは,α-リノレン酸含有サプリメントとして, シソの実油 シソの葉 むずむず を製品化しています。(α-リノレン酸・オメガ3系必須脂肪酸は,花粉症対策の機能性食品成分としても知られています。)