ビタミンCに限らず、栄養素は体に影響する。ビタミンCやサプリメントになるようなものは良い影響を与えることが多い。野菜や果物に入っているビタミン、ミネラルには抗酸化作用があり有用である。

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今月の腎臓病学の専門ジャーナル(電子版)に、維持透析患者において、ビタミンCサプリメントによる炎症・栄養状態への働きを調べた臨床研究が報告されていました。
(BMC Nephrol. 2013 Nov 14;14(1):252)

ビタミンCは抗酸化ビタミンの代表であり、病気のリスク低減や病態の改善効果が示されています。
急性期の病態や慢性消耗性疾患では、健常時と比べて、ビタミンCが消費されることから、通常の食事からの推奨量よりも多い量の摂取が必要です。

慢性維持透析患者では、ビタミンCの欠乏と慢性炎症の病態の両方が認められます。
そこで、今回の研究では、ビタミンC値が低く、炎症マーカーであるhs-CRPが高値の維持透析患者に対するビタミンCサプリメントの経口投与による働きが検証されました。

具体的には、維持透析患者128名を対象に2群に分け、グループ1(n = 67)には
1日あたり200mgのビタミンCを最初の3ヶ月間投与し、続く3ヶ月間ではビタミンCを中止しました。

グループ2(n = 61)では、最初の3ヶ月間は非投与であり、続く3ヶ月間においてビタミンCが1日あたり200mgの用量で投与されました。
アウトカムとして、hs-CRP、プレアルブミン、アルブミン、ヘモグロビン、EPO抵抗指数(ERI)が3か月ごとに測定されています。

128名中28名が試験完了前に脱落しました。
合計100名(group 1: n = 48; group 2: n = 52)のデータが解析されています。
その結果、試験開始時には被験者全員が4 マイクログラム/mL未満であったのに対して、
3ヶ月間のビタミンC投与後には、ビタミンC欠乏者の割合は20%に低下しました。

ビタミンC非投与群に比べて、3ヶ月間のビタミンC投与群では、炎症マーカーであるhs-CRP値の低下、
プレアルブミン値の増加が認められました。これらの変化は、ビタミンC投与中止によって元の値に戻っています。
同様の改善傾向が、アルブミン、ヘモグロビン、ERIにも示唆されています。
(ただし有意差なし)

以上のデータから、維持透析患者では、ビタミンC欠乏および慢性炎症の状態が認められること、
また、ビタミンCサプリメントの投与によって炎症抑制や栄養状態の改善が示唆されます。
今後、ビタミンCサプリメントの長期投与による臨床的意義の検証が期待されます。

ビタミンCは、安全であり、費用対効果も高いベーシックなサプリメント成分ですので、普段から継続的な摂取が推奨されます。