ドイツにおけるがん患者の補完代替医療の利用状況~教育水準と収入に相関がある。

 

ドイツのおける補完代替医療の利用状況が発表されていたが、アメリカも似たような出ていた。31%つまり薬3分の1人が利用しているとのことだ。日本でもがん患者さんの多くは興味はあるのだろうが、何が自分に必要か分からないこともアルだろう。

 

第一がん治療自体に関してマスコミによる、抗がん剤や先進的な放射線療法で直るという宣伝もあり、その原因を正すという最も正しい方法が分からなくなっている。

これが大きな問題であると考えられる。
代替医療自体も万能ではない、うまく使いこなすには専門の医師に良いアドバイスをもらうのが肝要だ。

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http://www.dhcblog.com/kamohara/

今月の小児血液腫瘍学の専門ジャーナル(電子版)に、がん患者における補完代替医療(CAM)の利用状況を調べた研究が、ドイツのグループ(Saarland University)から報告されていました。
(Pediatr Blood Cancer. 2013 Sep 13.)

先行研究では、小児のがん患者では、補完代替医療(CAM、complementary and alternative medicine)が広く利用されていることが示されています。
今回の研究では、小児と青少年のがん患者において、CAMの利用者の割合、有害事象、背景因子などについて実態が調べられました。

具体的には、497名のがん患者を対象に、過去1年間にわたる実態調査が行われています。
92%の457名から回答が得られました。
(16歳までの小児322名、16歳を超えた青少年135名)

解析の結果、31%が、がんと診断された時からCAM利用を開始していました。
がんと診断される前からの利用者は41%でした。
CAMの中で利用者が多かった療法は、
ホメオパシー、
マッサージ、
アントロポゾフィー医学、
鍼、
バッチフラワー
でした。

CAM利用の主な理由は、
--標準治療に伴う副作用の軽減、
--免疫賦活のため、

--安定した身体機能の達成のため、
--治癒機能の亢進のため
です。
社会背景要因では、CAMの利用と、--両親の教育水準が高いこと、--家族の収入が高いこと、
が相関していました。
CAM利用者の97%が、CAMの利用を推奨するとしています。
また、78%の利用者が、CAM利用について主治医に告げていました。
副作用の発現率は5%であり、いずれも軽度でした。

以上のデータから、
ドイツにおける小児がん患者では、CAMが補完療法として広く利用されていることが示唆されます。

がんにおけるCAM療法には、
・予防/リスク低減、
・治療
・標準治療の補完
・再発予防
といった意義がある一方、

標準治療との相互作用も想定されるため、開示・申告が必要です。
がんの標準治療に対する補完としては、キノコ系のサプリメントがよく知られています。
最近、コクランに霊芝のレビューが出ていました。(霊芝(レイシ)のがん治療における臨床的意義

また、クルクミンに関しては、標準治療に抵抗性の大腸がんやすい臓がんを対象に、
臨床試験第2相/第3相が進行中です。