緑茶カテキンの乳がんに対する抗がん作用・抗炎症作用

緑茶の力はどの程度強いのだろうか?おそらくはこういう抗炎症作用、抗酸化作用はガンにならないために普段から摂取したほうがいいということだろうと思われる。

治療効果としては緩徐に働くために治療期間が長いという欠点もある。

なんにしろ普段からこういうよいうものは生活に取り入れるべきである。

 

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今月の細胞生物学の専門ジャーナルに、緑茶カテキンによる乳がんに対する抗がん作用と抗炎症作用を示した基礎研究が報告されていました。(Vasc Cell. 2013 May 2;5(1):9.)

緑茶には、緑茶カテキンが含まれており、多くの基礎研究や疫学調査によって、抗がん作用、がんリスク低減作用が示されてきました。
特に、EGCGが主要な効果を示すと考えられています。

さて、今回の研究では、乳がんに対する緑茶カテキンEGCGの作用として、HIF-1alpha とNFkappaB活性への阻害作用、VEGF発現への阻害作用が検証されました。
具体的には、
雌C57BL/6 Jマウス(8週齢、n=16)にマウス乳がん細胞が播種され、
・EGCG投与(50--100 mg/kg/d)群(n=8)
・対照群(n=8)の2群について、4週間の介入が行われています。

解析の結果、対照群に比べて、EGCG投与群では、腫瘍組織重量の有意な減少、(0.37±0.15 vs. 1.16±0.30 g; P < 0.01),

腫瘍毛細血管密度の有意な減少、(109±20 vs. 156±12 capillary /mm2; P < 0.01),

腫瘍組織でのVEGF発現の有意な低下、(45.72±1.4 vs. 59.03±3.8 pg/mg; P < 0.01)
が認められました。

また、乳がん組織において、対照群に比べて、EGCG投与によるHIF-1alpha とNFkappaB活性の有意な抑制、VEGF発現の有意な低下も示されました。

一方、体重や心臓重量、心臓および骨格筋での血管新生やVEGF発現にはEGCG(50μg/mL)の用量では、有意な変化は見出されていません。

以上のデータから、緑茶に含まれる主要なカテキンのEGCGによる、乳がん細胞の増殖抑制作用が示唆されます。

今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
これまでの多くの疫学調査で、緑茶の摂取と、胃がんなどのリスク低下との関連が示されています。
また、基礎研究では、緑茶ポリフェノールによる抗がん作用や抗酸化作用が見出されており、緑茶による抗がん効果が確立されています。

(ただし、緑茶ポリフェノール/カテキンによる介入効果は緩徐であるため、その抗がん作用を見出すことができなかった偽陰性の疫学データも散見され、ネガティブデータを好んで取り上げるメディアでみることもあります。)