エクストラバージンオリーブオイルによる脂質代謝改善と抗炎症効果

 

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今月の栄養学の専門ジャーナルに、エクストラバージンオリーブオイルによる脂質代謝改善作用(加齢に伴うHDL低下の抑制)と抗炎症作用を示した臨床研究が、カナダのグループから報告されていました。
(Br J Nutr. 2013 Mar 19:1-13.)

オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用、動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。

パラオキソナーゼ1(PON1)は、HDLに存在する酵素の1種で、HDLの抗炎症作用や抗酸化作用に重要な役割を果たしています。(PON1は、抗炎症作用およびLDL酸化抑制作用を介して、動脈硬化を抑制します。)

今回の研究では、加齢によるPON1の働きへの影響、HDLの抗炎症活性への影響、
およびエクストラバージンオリーブオイル摂取によるHDLの動脈硬化抑制作用への影響が調べられました。
具体的には、健康な若年者10名と、高齢者10名を対象に、エクストラバージンオリーブオイルが12週間投与され、投与前後で、血漿中のHDLとPON1が測定され、炎症関連指標として、ICAM-1発現などが測定されました。

解析の結果、まず、若年者でのPON1は、有意な抗炎症作用を示し、ICAM-1発現の減少を認めました。
一方、高齢者のPON1には有意な作用は認められていません。

次に、12週間のエクストラバージンオリーブオイル投与後では、HDLおよびPON1のいずれの抗炎症活性も有意に亢進しました。ただし、HDLの抗炎症作用は、高齢者の群では低値であったということです。

以上のデータから、エクストラバージンオリーブオイルの摂取は、HDLおよびPON1の作用を介して抗炎症効果を示すこと、PON1によるHDLの抗炎症効果は高齢者では若年差に比べて低下していますが、エクストラバージンオリーブオイル摂取によって、加齢によるこの作用低下が抑制される
と考えられます。

今後、心血管イベントに対する効果など臨床的意義の検証が期待されます。
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オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用、動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています