ビタミンDによる慢性心不全の重症度改善作用 

 ビタミンDの働きは本当に多岐に渡って多彩である。
インフルエンザ予防や抗癌作用に加えて心不全においても重症度を改善する。
多くの人は即効性とともに副作用のある薬を選んでいるが、副作用はないが即効性もないサプリメントを
自分の生活に取り入れてはいかがだろうか?
ビタミンDはその時に真っ先に利用できるモノの一つである

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月の循環器病学の専門ジャーナル(電子版)に、慢性心不全の重症度に対するビタミンDサプリメントの影響を調べた臨床研究が、イランのグループ(Tehran University of Medical Sciences)から報告されていました。(Congest Heart Fail. 2013 Mar 21)

ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。
多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。

さて、今回の研究では、慢性心不全(うっ血性心不全)に対するビタミンDサプリメントの影響が検証されました。具体的には、NYHA分類でクラスⅠ~Ⅲの慢性心不全患者100名を対象に、血中ビタミンD値(25-OHD)が測定され、ビタミンD3サプリメントが投与されています。

まず、血中ビタミンD値が十分(>30 nmol/L)であったのは、患者の6%でした。
不十分であった患者群(<30 ng/mLと<20 ng/mL)に対して、ビタミンD3サプリメントが、4カ月間、経口投与されました。

ビタミンD3サプリメント投与の結果、血中ビタミンD値は、12.63±7.60 nmol/L から54.49±18.01 nmol/L へと有意に増加しました。(P<.001)

また、ビタミンDサプリメント投与後に、心血管リスクマーカーであるプロBNP値は有意に低下し、
(P<.001)
hs-CRP値も有意に低下しました。(P<.001)

さらに、血中ビタミンD値の上昇は、NYHAクラスの有意な改善(P<.001)
および6分間歩行距離の有意な改善(P<.001)
と相関を示しています。

以上のデータから、慢性心不全患者では、血中ビタミンD値の低値が認められること、
ビタミンDサプリメント投与によって、NYHAの有意な改善が示唆されます。

近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。
日本からの報告では、ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果が知られています。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。

(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000~2,000IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)

今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。
たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足
血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い
というデータがあります。

DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。
ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。