運動療法を妨げるホルモン=糖尿病患者などで発見―金沢大

時事通信 3/4() 14:30配信

 

血中にセレノプロテインPが過剰に存在すれば、運動しても血糖値は下がらず運動能力も低下する可能性がある。これでは筋肉内へのグルコースの移行が出来ず糖尿に対する運動の効果がないと言う事だろう。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170304-00000059-jij-sctch

中高年に多い2型糖尿病や脂肪肝などの患者が運動療法を行っても効果が上がらない場合があるのは、肝臓から分泌されるホルモンが原因の一つだと分かった。金沢大と同志社大、筑波大などの研究チームが4日までに米科学誌ネイチャー・メディシン電子版に発表した。  このホルモンは金沢大の金子周一教授や篁俊成教授らが2010年に発見した「セレノプロテインP」。高齢者や2型糖尿病患者、脂肪肝患者で血中濃度が高い傾向があり、血糖値を上げる働きがある。  患者のセレノプロテインPの血中濃度を調べれば、運動療法の効果を事前に予測できる可能性がある。肝臓のセレノプロテインP生成を抑えたり、筋肉への取り込みを防いだりする安全な物質が見つかれば、運動効果の増強薬になるという。  マウスを130分走らせる実験を1カ月続けたところ、セレノプロテインPを生成できないように遺伝子操作したマウスは、通常のマウスに比べ走行限界距離が約2倍長く、インスリンの血糖低下作用が大きかった。  健康な女性に運動してもらう実験でも、セレノプロテインPの血中濃度が高い場合は最大酸素摂取量が低く、効果が上がらなかった。

 

以下wikipediaより

セレノプロテインPは、分子中にセレノシステインを含むタンパク質であり、ヒトではSEPP1遺伝子にコードされている[1][2]血液中に見つかる主要なセレン化合物であり、セレノプロテインPP血漿plasma)のPに由来する。

セレノシステインを含むタンパク質は通常、セレノシステインを1つだけ含有す場合が多いが、セレノプロテインPでは、分子中にセレノシステインを10個含んでいる。また、ヒトにおいてはC末端側が短い分子種が報告されている。これはセレノシステインをコードするコドンが終始コドンと同一であるため、メッセンジャーRNAからタンパク質への翻訳の途中で、タンパク質合成が止まってしまうためであるとの意見があるが、現在のところ明らかではない。

血液中に見つかるセレノプロテインPは、ほぼ肝臓で合成されると考えられており、役割はセレンの末梢臓器(特におよび精巣)への輸送、あるいは貯蔵に関与していると見られるが、全容の解明には至っていない。また、活性酸素を消去するとの報告もあり、活性酸素の消去をセレノプロテインPの役割とする研究者もいる。