ビタミンDが慢性腎不全の蛋白尿を改善するなんて!!

信じられないデータである。一般に脳細胞と心筋細胞、そして腎臓の細胞は再生不可能といわれている。

今ではIPS細胞を利用して再生するという治療法が実験されてはいるが、なかなかこれは実現には遠い。

その一方でビタミンDでもし細胞機能が改善するとしたら大発見だろう。

 

同じように精神療法で腎不全から立ち直る人の例も在るようだ。毎日瞑想を行い、精神の持ち方を変えてゆく訓練で尿量が1000ml近くに増えてきた症例を知っている。

 

人間には自己治癒力があり、その先には自然治癒力があることを思い知らされる発表だ。

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腎臓病学の専門ジャーナル(電子版)に、慢性腎臓病患者において、ビタミンD投与によるタンパク尿(アルブミン尿)の減少(改善)作用を示した臨床研究が、スペインのグループから報告されていました。
(Nephrol Dial Transplant. 2013 Aug 24.)

近年の研究によって、ビタミンD受容体の活性化を介したシグナルによるタンパク尿改善効果が示唆されています。
そこで、今回の研究では、慢性腎臓病患者におけるビタミンDサプリメント投与のタンパク尿への影響が調べられました。

具体的には、6ヶ月間の前向き対照研究として、アルブミン尿を呈する慢性腎臓病(CKD)患者101名を対象とし、(被験者では、人工透析は導入されていません)
被験者のうち、血中ビタミンD低値(25(OH)D低値)および副甲状腺ホルモン(PTH)が高値を示す患者50名(49%)に対して、1日あたり666 IUのビタミンD3(コレカルシフェロール)が投与されました。

副甲状腺ホルモン高値ではない被験者51名(51%)に対しては、血中ビタミンD値にはかかわらず、ビタミンD3は投与されず、対照群とされました。

解析の結果、まず、ビタミンD3サプリメント(コレカルシフェロール)投与によって、血中ビタミンD値は、有意に増加しました(53.0 ± 41.6% (P < 0.001))。

次に、尿中アルブミン/クレアチニン比(uACR)は、ビタミンD3投与群において、投与前の284 (189-425)mg/gから、6ヶ月後に 167 mg/g (105-266)へと有意に減少(改善)しました(P < 0.001)。

このとき、対照群には有意な変化は認められませんでした。
尿中アルブミン/クレアチニン比(uACR)の減少(改善)について、同様の影響を与えうる他の要因(体重や血圧、降圧剤の投与など)の変化は認められていません。

年齢、性別、BMI、糸球体濾過率、血圧、タンパク尿に対する治療といった交絡因子で補正後、ビタミンDサプリメントの6ヶ月投与群では、
血中ビタミンD(25(OH)D)値と、uACRとの有意な負の相関が見出されています。(P = 0.036)

サプリメント投与群では、副甲状腺ホルモン値が有意に減少し、(-13.8 ± 20.3%, P = 0.039)
リン酸塩やカルシウムリン積は、それぞれ有意に増加しました。[7.0 ± 14.7% (P = 0.002), 7.2 ± 15.2% (P = 0.003)]

以上のデータから、慢性腎臓病患者対するビタミンDサプリメント投与によって、
アルブミン尿の減少や副甲状腺ホルモンの低下作用が示唆され、

慢性腎臓病の病態進展を抑制する効果が考えられます。

今後、さらに検証が期待される分野です。

DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。
ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、という報告もあります。
マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。