こういう情報に接して思うのは、何事にも神経質になってはいけないなという事である。この情報もメタ解析まで行った研究もあるので間違いのないことである。しかし。だからと言ってこのリコピンだけに意識を集中するのではなく、まんべんなく健康に良いと思われる生き方を模索するべきであって、リコピンだけに意識を集中すべきではない。

あまりにも神経質であると過ぎたるは及ばざるがごとしとなる。

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臨床研究の専門ジャーナル(電子版)に、トマト由来のファイトケミカルであるリコピンによる前立腺がんマーカーのPSA値への作用を調べた臨床研究が、ノルウェーのグループ(Oslo University)から報告されていました。 (Clin Nutr. 2016 Jun 30.)

リコピンは、トマトなどに含まれる赤い色素で、カロテノイド系ファイトケミカルの1種です。 抗酸化作用や抗炎症作用を介して、前立腺がんリスク低減・予防作用が知られています。

リコピンによる前立腺がんリスク低下:メタ解析 リコピンによる前立腺がんリスク低減効果:メタ解析  さて、今回の研究では、前立腺がん患者において、 リコピンによる前立腺がん進展への影響が、PSA値を指標に検証されました。

具体的には、治療的介入前の時点で、前立腺がん患者79名を対象に、無作為に2群に分け、 ・30mg/日のリコピン含有トマト製品投与群 ・トマト製品+セレン+オメガ3系脂肪酸+大豆イソフラボン、ブドウ/ザクロ果汁、緑茶/紅茶の併用投与群:(トマトプラス群)、 ・対照食摂取群 の3群について、3週間の介入試験が行われています。

解析の結果、まず、全体の解析では、介入群と対照群との間に有意差は認められませんでした。 次に、層別解析では、腫瘍分類および術後のGleasonスコアに基づき、 中等度のリスクを有する前立腺がん群(41)では、

対照群に比べて、 リコピン含有トマト製品投与群では PSAの中央値の有意な減少が認められたということです。 (-2.9% and +6.5% respectively, p = 0.016)

さらに、血中リコピン値、セレン、オメガ3系脂肪酸の上昇幅が最も大きい群では、PSAの中央値が1%低下したのに対して、これらの値の上昇幅が最低群では、 PSAの中央値が8.5%増加していました。(p = 0.003)

また、リコピン値単独での解析でも、リコピンの上昇値が最高群では、 PSA値の有意な減少が認められたということです。(p = 0.009). 以上のデータから、 リコピン高含有トマト含有製品による前立腺がん患者への治療前からの投与により、がん進展リスク低減作用が示唆されます。