IPT療法を自分に試してみました。

 先日風邪を引いたのでIPT療法で治療効果が高いと言うのでその方法で自分に点滴してみました。
 これは1月に某ガン専門のクリニックで研修してきたIPT治療を患者さんに行う前の安全性の実験の一環でした。
 IPT療法とは、血糖値を下げた状態で糖分を含んだ抗がん剤を点滴する治療法です。
 癌細胞は糖に対するレセプターを正常細胞の18倍から20倍ほど持っているので、糖分を貪欲的に取り込み腫瘍は増大します。そして、ある程度癌細胞が増えると、正常細胞には栄養がいきわたらなくなり、いわゆる悪液質という状態になってしまいます。この状態では体は痩せ細っていき、食べたものは全てガンの栄養になり、体がガンにのっとられた状況となります。
 この癌細胞がドン欲に糖分を取り込む働きを逆に利用したのがこのIPTです。
 血糖を下げて癌細胞が糖分に対する感受性が高い状態で抗がん剤を点滴するので効果があるのです。これは抗生物質や抗がん剤(通常のものでも)、またはアミグダリンやウクレインなどでも同じように働くようです。

 私は当日朝食を抜き、治療に臨みました。当初の血糖値は96mg/dl.その後インスリンを打ち血糖値が40まで下がったところでアミグダリンを投与しました。血糖値が下がったところでグルコース入りの抗がん剤や抗生物質を投与すると通常の20倍程度の効果があるのがこの治療法の売りです。
 実際に血糖値が40まで下がったあとの点滴中じわじわと血糖が上がりました。点滴終了後血糖は100近くまで上がっていました。
そして、特に違和感もなくこれと言った副作用も出ませんでした。当初低血糖に備えて看護師達には、高濃度の糖液を準備してもらい救急処置の準備もしていましたが、何の問題もありませんでした。

結果的にはその日のうちに大量の汚い痰がのどから出てきて、かぜは一日で治ってしまいました。
アメリカでも日本でもこのIPTでの副作用はあまり聞きません。あえて言えば運悪く薬にアレルギーがあれば使えないこと、糖尿病でインスリンを使っている人はコントロールが難しいことでしょう。

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