アキレス腱断裂

病態

ジャンプや踏み込んだ時など、ふくらはぎの下腿三頭筋と言われる筋肉の急激な収縮の際や、急激に筋肉が伸ばされた時に下腿三頭筋の腱であるアキレス腱の断裂が発生します。

中高年ではアキレス腱の変性(老化現象)が原因の一つとして考えられ、レクリエーション活動やバレーボール、テニス、ソフトボールなどの最中に多く発生しています。また、青少年ではアキレス腱炎による腱の脆弱性が要因として考えられており、短距離走、幅跳び、体操、剣道などのスポーツ選手に多く発生しています。

発症

断裂の際には、後ろから叩かれたり、蹴られたような感覚があるとされ、断裂音が聞こえることもあります。痛みは比較的軽く、歩行が可能な場合もありますが、ランニングやジャンプすることは不可能であり、つま先立ちが出来なくなります。

診断

断裂部を触れると、陥凹(へこみ)と圧痛が認められ、うつ伏せで膝関節を90°曲げた状態で、ふくらはぎを強めにつまんでも足関節が底屈(つま先立ちの時の足の動作)しなくなります。

医学的治療

治療にはギプス固定や装具による保存療法と、断裂したアキレス腱を縫い合わせる手術療法があります。それぞれメリット、デメリットがありますが、一般的に中高年の場合は保存療法が選択され、スポーツ選手は手術療法を選ぶ傾向にあります。

リハビリテーション

保存療法および手術療法の後に段階的にリハビリ―ションを開始しますが、足関節の関節可動域訓練や荷重訓練が中心となります。また、スポーツ選手の場合は再発予防が重要であり、患部以外の筋力やバランスの改善、関節の柔軟性など多角的な治療アプローチも必要となってきます。