がん治療研究資料

訳:日本ビタミンC研究会代表 藤井毅彦

ガン治療における予期せぬ役割:薬理学効果のビタミンC塩

Mark A Levine(NIH)
Chen Qi(University of Kansas)

Pharmacologic Ascorbate:An Unanticipated Role in Cancer Treatment
ガン治療における予期せぬ役割:薬理学効果のビタミンC塩

ビタミンC塩(ビタミンC、アスコルビン酸)はガン治療に用いることができるでしょうか。この疑問は長年にわたってガンの分野で存在しました。医学界の論争にかかわらず、ビタミンCはガンや感染症を含む多くの容態において、補完・代替医療の医師により、広く用いられている。

使用においては、副作用は少しも見られない。初期の、観察による研究と最近の症例報告では、ガン治療でのビタミンC塩の疑いのない効果を示している。低い副作用と潜在的に存在する抗ガン因子としての有効性のあるビタミンC塩は、大きい長所を有する可能性が有ります。しかしながら、効果と基礎的な科学上の根拠は、厳密に研究されていません。

ガン細胞死をもたらすビタミンC塩の作用メカニズムに対する科学的洞察を、最近の研究は提供しています。有効な濃度は、静脈内点滴もしくは腹腔内投与により達成されることが必要です。薬物動態学的研究では、ビタミンC塩の静脈内投与は経口による投与と違った作用をします。

経口投与では、血中と組織中のビタミンC塩濃度は生理学的濃度以下にしっかりとコントロールされています。ビタミンC塩の静脈内投与はこのしっかりしたコントロールをバイパスでき、血管と血管外スペースにおいて、ミリモルの薬理学的濃度を達成できるのです。

ビタミンC塩の薬理学的濃度は、血中でなく細胞外液中にascorbate-radicalとhydrogen peroxideを発生させます。かように、血液は組織へのpre-drugの配達システムとして作用します。このことはガンと感染症に深い関係があり、過酸化水素とROSはそれらにおいて治療的役割を担います。

ビタミンC塩ラジカルと過酸化水素値の持続は、ビタミンC塩のIVとIP点滴後、ガンの部位で認められた。その結果、抗酸化作用と違って、薬理学的濃度のビタミンC塩はガン部位において酸化促進作用物質に変わるのです。

ビタミンC塩の酸化促進作用は、正常細胞でなくいろんなガン細胞において細胞毒性である過酸化水素を生じさせます。腹腔内へのビタミンC塩の投与では、nude mouse異種移植片モデルの攻撃的ガンの三つのタイプで40~50%のガン細胞の増殖の減少をもたらした。

ビタミンC戦争が行われている。ガン患者は正しい方向に進むべきか。

Envita's Natural Issues Blog
The Voice of Natural Medicine

The VitaminC War Wages On:should Cancer Patients Steer Clear?
ビタミンC戦争が行われている。ガン患者は正しい方向に進むべきか。

ビタミンCの投与量は2,850mgであった。毎日、サプリメントを摂取したガン患者は、伝統的療法のみを行ったガン患者に比べて、ガンの再発率の減少、quality of life の改善、生存率の増大、それに部分的寛解の増大が認められた。

oral squarmous 細胞ガンに罹った63名のガン患者を含む、その外の研究では、患者はコバルト60、peplomycin、5-fluorouracil の化学・放射線療法を受けた。ガン患者は毎日、ビタミンC、E、グルタチオンを摂取しました。ビタミンCは500mgと低い摂取量だった。患者は高い応答率とより大きい副作用の軽減を感じた。

要するに、30年間の細胞群、動物、そしてもっとも重要な事だが、ヒトでの研究では、ビタミンCのような栄養素は、化学療法、放射線療法の応答率を改善するだけでなく、生存率の延長、quality of life の改善に役立ちます。還元型ビタミンCの静脈内大量投与(アスコルビン酸)は実際の殺ガン作用と化学療法の効果の増強作用の点から、もっとも有望であることが示されている。大多数の研究において、経口による還元型ビタミンCの投与は化学療法中、有益な、補完的役割をはたすことが示されている。特に、ビタミンCは副作用を軽減し、回復力を増します。

2008年現在、酸化型ビタミンCを用いた、たった一つの研究では、マウスでの化学療法の効果が弱まることを示しています。長年のデータを無視して、たった一つのデータを重要視するばかりに世に警告と混乱を引き起こす前に、マスコミとSloan-Kettering の研究者が正しく識別せず、深く調べないことは、大変無責任です。さらに、酸化型ビタミンC(DHA)をビタミンCと称して論文に“ビタミンCは化学療法剤の効果を弱める”と発表するのは、ガン患者を困惑させ、生還のチャンスを失わせることになります。

ところで、酸化型ビタミンC(dehydroascorbic-acid)の静脈内大量投与は、赤血球細胞膜の破裂や腎臓刷子緑膜の破裂をもたらし、膵臓β細胞に対し毒性を示す可能性があることが証明されているので、静脈内大量投与は賢明でありません。

世界中の点滴療法では、すべて、安全な還元型ビタミンC(ビタミンC)を用いています。

ソウル大学のSK Lee によると、ビタミンCがcyclooxygenase-2の発現の阻害とインスリン様成長因子Ⅱの産生の調整を通じて、ヒトメラノーマ細胞の増殖と生長を抑制したことが明らかになり、いろんなガンの増殖の抑制に決定的役割をはたすことを明らかにした。また、Johns Hopkins 大学のChi Dang 博士は、ビタミンCの実際の働きは、低酸素状態下でガンの増殖する能力を不安定化(HIFの働きを阻害する)さすことである、ことを発見した。

ビタミンDはガンから守ってくれます。

Road to Health Catalog
Product Opportunities

VitaminD Protects Against Cancer
ビタミンDはガンから守ってくれます。

アメリカのネブラスカ州のクレイトン(Creighton)大学医学部で実施された胸がわくわくするような、新しい研究では、ビタミンDプラスCaを補完すると、驚くべきことに、77%ほど、ガンのリスクを減らせることを明らかにしました。

これらのガンは、乳癌、結腸ガン、皮膚ガン、その外のガン等です。

この研究は、ビタミンDがガンに対するほんとうに、もっとも有効な薬で、現代科学で知られている、いかなる抗ガン薬より、効果が勝るという、強い、新しい証拠を示しています。

この研究には、ネブラスカ州の田舎の1,179名の婦人が参加しました。婦人の一グループに約1500mg/日のCaとビタミンD(1100IU/日)を投与し、一方のグループには、プラセボ(偽薬)が投与された。4年にわたってCaとVDを投与されたグループはガンの60%の減少が認められた。

最近3年の研究を考察すると、CaとVDのサプリメントを投与して、77%のガンの減少は印象的です。この研究の出版資料は、ウエブサイトのhttp://road-to-health.com/go/nldにアクセスして、見て下さい。

一日あたり10,000IUのビタミンD推奨量に関する最近の研究

2007年1月、the American Journal of Clinical Nutrition に載った研究では、既存の根拠を再検討し、ビタミンDの安全上限量の変更を推奨している。なお、現在のところ、the Food and Nutrition Board により2,000IU/日に決められている。

研究している筆者は、ビタミンDの安全上限量は10,000IU/日まで上げられることを推奨している。

ガンに対するビタミンDの防御作用に関する証拠によると、VDを多く摂取する人々では、ガンに対する防御作用が大きいのです。動物と疫学的研究では、リンパ腫、結腸ガン、前立腺ガン、皮膚ガン、それと肺ガン等を含むガンに対しビタミンDの高摂取は、予防したり、治療さえする可能性を有し、さらに、高血圧症、fibromyalgia、糖尿病、多発性硬化症、リウマチ性関節炎、等にまで予防、治療の可能性を有することを暗示しています。

また、ビタミンDは免疫系を働かせたり、調整したりすることが、自己免疫疾患に対する効果の説明となります。さらに、細胞がガン化しないようにし、自己修復の促進をします。1,000IU/日の摂取量では、結腸ガンを半分に減らし、乳癌と卵巣ガンの発生を25%減らします。

シャクターセンターでのガン患者への点滴可能な治療プログラム

Michael B Schacter MD,CNS,FACAM
Schachter Center for Complementary Medicine
2 Executive Boulevard;Suite 202;Suffern,New York 10901;USA
Website:www.schachtercenter.com

Injectable Treatment Programs for Cancer Patients at the Schacter Center
シャクターセンターでのガン患者への点滴可能な治療プログラム

ニューヨーク、サーファンのシャクター補完医療センターでは、比較的毒性のない栄養素の点滴が、ガン患者への治療プログラムの重要な割合をしめています。

当センターのガン患者のほとんどすべてに投与されている、静脈内点滴のひとつは、還元型ビタミンC(アスコルビン酸ナトリウム)の大量投与で、通常、殺菌水500mlから1000mlに50gから100g、アスコルビン酸ナトリウムを溶解させます。そして、一回あたり、一時間より多く三時間にわたって投与します。

静脈内点滴により、いきわたり、吸収される投与量の還元型ビタミンCは、米国、国立公衆衛生院で明らかにされたように、多くのガンに対し殺作用を示し、正常細胞にはダメージを与えないのです。

同じ点滴で、グルクロン酸カルシュム10mlと硫酸マグネシューム2mlを、大抵、投与します。それに続いて、しばしば、アミグダリンを少量、点滴します(ブドウ糖液100ml中9gのアミグダリン)。約20分以上、点滴します。

これは杏の種の仁由来の大変議論のある天然物質です。それはbenzaldehydeとcyanide radical を分子の一部分に含みます。これらは分子から遊離するとき、毒性が発生します。しかし、分子の一部分に結びついたままの時には、毒性が発生しません。

ガン細胞はその分子を破壊する酵素を含んでいますが、正常細胞にはその酵素が有りません。一方、正常細胞には、cyanideやbenzaldehydeをより毒性の少ない物質に転換する解毒酵素が含まれているのですが、ガン細胞にはそれが含まれていません。

かように、ヒトには、ガン細胞にダメージを与え、正常細胞には与えない、選択的な性質が有るのです。

アミグダリンは米国では、長い、論争の歴史が有ります。また、天然の物質ですけど、米国では、VCのように広く使われていませんし、進んで利用されていません。ガン患者の治療プログラムに、アミグダリンを入れたい患者は、米国以外の国から入手する必要が有りますし、投与してもらうため我々のクリニックに持ってくる必要があるのです。ビタミンC(VC)の点滴のみを受け、アミグダリンの注入をしない患者もいます。

ガン患者はいろんな栄養素が枯渇し、ガンや伝統的治療に伴った、一つ、もしくはもっと多くの問題点の結果として、栄養素の枯渇による体不調を訴えます。枯渇の理由のいくつかは次のとおりです。

1.食欲不振と摂食障害。
2.カロリーはあるが、栄養素の枯渇した食品の選択ミス。
3.吐き気と嘔吐。
4.栄養素の欠乏をもたらす医薬品(化学療法剤やステロイド剤、その他の医薬品)
5.ガンや治療、その外の要因にともなう栄養素の吸収障害の問題。

これらの患者に対して、たびたび、ビタミン・ミネラル類の栄養素のIV点滴かIVpush、もしくは筋肉内注射を行います。

(中略)

いくつかの栄養素を加えるか、減らすか、投与量を変えるかにより、このプロトコールの調整は、個々のヒトの基準に基づいて作られますが、ほとんどのガン患者はうまくこの点滴に耐えれてこの点滴の後、より気分が良くなります。大量のビタミンCの点滴もしくは栄養剤の点滴を受けたガン患者は、しばしば、放射線療法もしくは化学療法の副作用が減り、少なくとも、伝統的療法の単独実施と同じくらい有効な結果となるようです。

塩化カリウムは、時間を延長して投与される点滴の時だけ含まれますが、しかし、以下に述べたように、IVpushの場合は含まれません。IVpushの場合、塩化カリウムを投与することは、心臓の不整脈や突然死を引き起こします。それで塩化カリウムはIVpushの場合、使えません。

(中略)

化学療法で治療している間、損傷した細胞膜の修復に役立つように、ガン患者にさらに注射することを、最近、開始しました。この治療法は、細胞膜の修復に役立つプロトコールを開発した栄養学者のPatricia Kane によりもたらされた。この治療法はphosphatidyl choline の特別なタイプ、folinic acid(Leucovorin)、それにglutationeの静脈内投与を行なうことです。最適の投与量がガン患者のために算定されています。

上述したように、ガン患者のための、いろんな、ほかのプロトコールを我々は実施しています。たとえば、鉛やカドニウムを過剰に体内に蓄積しているガン患者、もしくはアテローム動脈硬化症のガン患者には、Disodium magnesium EDTA キレィション療法の点滴を、たびたび実施します。

この投与法は、十分習熟した医師のみが行なわなければいけません。多くの日本人医師は、the American College for Advancement in Medicine(ACAM)による、一年に一、二度の特別研修会において、EDTAキレィション療法の実地訓練を受けています。この実地訓練に関心のある医師は、www.acam.org. にアクセスして下さい。

Schachter Center では、点滴ができる栄養素の賢明な使用が、ほとんどのガン患者に大変有益であることを、我々は発見しました。

第10回国際統合医学会学術集会誌

2009.07.18 第10回国際統合医学会学術集会誌のガンに関する記事です。

1. 「Intravenous Vitamin C in Clinical Cancer Care(ガンの臨床治療における還元型ビタミンCの静脈内投与の役割)」 Ronald E.HUNNINGHAKE

ビタミンCの静脈内投与(IVC)は、ガン患者に対し最適の治療法としての有益な補助薬となります。臨床上の効果を得るためには、50g程度の大量が一週あたり数回、静脈内投与により与えなければいけません。

IVCは、ガンの壊血病状態(疲労感、痛み、食欲不振、うつ状態)を軽減し、免疫系を賦活し、かつアポトーシスの誘導に必要なミトコンドリア機能を回復させる生物学的応答調整薬として作用します。最近の研究は、コラーゲン形成を刺激する一方、hyaluronidaseを阻害する能力と共に抗血管新生因子としてIVCの作用を明らかにしました。これらの機能はガンに存在する転移能力を減少させます。

最後に、ビタミンCの抗酸化作用は、超大量の還元型ビタミンCが静脈内投与された時、酸化促進物質として作用するユニークな性質に入れ替わることです。redox cyclingのビタミンCとして知られているこの現象は、過酸化水素を発生させるために細胞外金属と相互作用をします。そして過酸化水素はhydroxyl radialに変換されます。水酸化中和酵素、catalaseのガン細胞中の欠如は、ガン細胞をIVCの酸化促進作用に敏感にさせるのです。

この酸化促進作用により、伝統的化学療法や放射線療法とIVCとが併用できるようになるのです。IVCは、確かに、それらの効果を強める一方、副作用を軽減します。IVCはガン患者にビタミンCを効果的に用いるのに適切な方法ですが、上述のIVCredoxをさらに強めることができるoral-Credoxの現象を可能にするための共働の栄養物質と共に用いる、特別に許可された経口ビタミンCの大量使用を検討中である。

2.「Nutritional Support and Lifestyle Recommendations for Cancer Patients(ガン患者のための栄養サポートと生活習慣の推奨)」 Michel B.SCHACHTER Director, Schachter Center for Complementary Medicine

環境要因と栄養要因は、ガンの進行において主たる役割を演ずるという考えは、世界中の文献で支持されている。一般の人達に、ガンを予防するための栄養学上の推奨は、米国国立ガン研究所、米国ガン協会、アメリカがん研究所、世界保健機構、日本国国立ガンセンター(12の予防事項)、その外から得られている。

しかしながら、それが、ガンと診断された患者の治療となると、大部分の腫瘍医は、患者がガンをなんとかするのに役立つ、栄養や生活習慣等の要因について話し合いが出来ないのです。腫瘍医は、外科手術、放射線、化学療法、ホルモン療法それに新しいmonoclonal療法等で、ガンの塊をやっつけようとします。生活習慣の要因、栄養に関する推奨(十分なカロリー摂取を奨めることではない)それに栄養サプリメントには少しも注意を払っていません。

ガンを予防するために奨められた同じことのいくつかは、すでにガンに罹っているひとにも応用したほうがいいはず、という直接、間接の証拠がかなりの数あります。そのようなプログラムを実施することは、ガン患者の生存統計やquality of lifeを改善し、伝統的治療法による副作用を著しく軽減します。

Dr.Schacterは、35年以上にわたってガン患者をサポートするため補完療法を実施しています。この発表において、彼はガン患者に対し、重要な栄養に関して強調し、また有害な化学物質を避けることについて話し合い、栄養サプリメントの重要性を述べます(ガン患者の治療に加えられるにちがいない、いくつかの、特定の薦めも含みます)。

そして、ガン患者のためになる高濃度還元型ビタミンCの点滴のような非経口療法のいくつかを、簡潔に述べます。この講演の目的は、次のとおりです。

(1)患者に、自分の病気を治療するのに役立つ生活習慣の改善や栄養について指導することにより、ガン患者の治療の見通しを広げる勇気を内科医に与えるものです。

(2)ガン患者に役立つ実際的情報のいくつかを内科医に提供します。