イクメンほど要注意! 発症リスクは10人に1人、パパの「産後うつ」の原因・症状・予防法

6/5() 6:10配信

 

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最初に断っておくが僕は昭和38年生まれである。だからと言って僕の意見が正当化されることもないけれども、今流行の「イクメン」には僕自身はとてもなれないし、なりたいとも思わない。

男が育児にかかわるというのは女性からしたら人類誕生の4万年前からの悲願かも知れないが、男にとっては4万年間の遺伝子に組み込まれていない異常行動をさせられる非常事態に過ぎない。

 

4万年前からつい2000年前まで、男の仕事はアドレナリン全開の狩猟だった。マンモスを狩猟したり、クマ、イノシシを仕留めたり、農耕が始まってからはは肥沃な大地を耕して農耕を営んだりしていた。いわゆる狩猟採集だ。

その後は文明の発達とともに様々な職業が出来、主に男性が仕事をしてきた。女性は家にいて育児をしていた。それが戦後までの普通の家庭の姿だった。

 

戦後になり女性の社会進出があり、能力のある女性は能力のない男性をしのぐ力をつけ社会で活躍できるようになった。すると子供の育児を家庭において誰がするのか?稼ぎの少ない男性に冷たい目線が向けられた。妻よりも稼ぎが悪い男性が育児を手伝わないのはおかしいと。女性たちの4万年越しの恨みの声である。家の中に女性を閉じ込めて仕事と言いながら飲みに出ている男性に対する恨みである。これがイクメンの背景だ。

 

一方いまだに家計の主として普通の女性では不可能なくらいの所得を得ている男性たちからはイクメンに対しては否定的な声が多い。男女の性差による役割分担で、男性に育児を強制するべきではないとの考えだ。年収数千万円稼いでいる男性や家計を主に支えている男はほとんどがそう思っている。いわゆる成功者は皆そうである。

 

医学的に言うとアドレナリン体質の男は育児が苦手である。育児はセロトニンとオキシトシンの働きだ。アドレナリンは競争、闘争のホルモンである。社会で経済的に地位的に高みへ上るにはアドレナリンとドパミン(達成感のホルモン)は絶対に必要である。一方育児に必要なのはオキシトシンとセロトニンという愛情と安らぎのホルモンである。

そして、育児で適応しているのは男女でいうと女性であろう。これはLGBTQという新たな問題とも関連している。ここでは述べない。

 

かつての狩猟の時代の様ではないがいまだに現代の社会でもできる男は戦っている。会社で、自分の仕事上の目標と戦い、自分の設定した目的を達するために忙しい。24時間フル活動で働いている仕事人間の男たちや、社会の上層部との付き合いの多い政治家や、新興のIT企業の社長たちが会社の社運をかけて働くときにイクメンを求められてもむりだろう。アドレナリンが出なくなる。彼らは、育児は専業主婦がすればいいと思っている。

男尊女卑というなかれ、男女の能力の得意、不得意の役割分担だ。家庭が幸福になるには能力の違いによる役割分担が必要だ。

 

その役割分担について深く考えもせず、イクメンをしても苦しむのは目に見えている。体に無理があるからだ。アドレナリン優位の男性には明らかに向いていない。女性の気を引くためにイクメンをするのは無理がある。イクメンに向いているのはアドレナリンが出ないタイプの男性である。男性も自分がどのタイプか考えてイクメンにならないとうつになってしまうのだろう。

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何となくイライラしたり、訳もなく涙が出たり……。「マタニティーブルー」という言葉に象徴されるように、産前産後に心身のバランスを崩すのは、実際に妊娠・出産する女性というイメージがあります。しかし、父親になる男性も、子どもが産まれたことによるプレッシャーや不安感、ストレスにさいなまれるなど精神的に追い込まれ、さまざまな症状を発症するケースがあるようです。

 

2015年に兵庫医療大学の西村明子教授らが行った調査によると、産後4カ月の807人の父親のうち、13.6%にうつ病のリスクがあることが分かりました。イクメンブームの昨今、こうした「パパの産後うつ」は増加傾向にあるといい、SNS上などでは「うちの夫これだったかも」「母親のイライラが父親に伝染するのもわかる」「ママの産後うつとどう違うの」など、さまざまな声が寄せられています。

 

父親になったばかりの男性を襲う“パパの産後うつ”とはどのようなものでしょうか。オトナンサー編集部では、医師の尾西芳子さんに聞きました。

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父親としてのプレッシャーや環境の変化が要因

 

Q.男性の産後うつとはどのような症状でしょうか。

 

尾西さん「最もよく見られるのは、うまくいかないと自分を責めてしまう自責感です。産後1カ月が発症しやすい時期で、父親としてのプレッシャーや、パートナーであるママの出産という環境の変化により、我が子との離脱感や『父親としての役目を果たせていないのではないか』という気持ちにさいなまれ、子どもとのコミュニケーションが上手に取れなくなるケースがあります。また、精神的に不安定な状態になることにより、子どもをつねったり、たたいたりするなど、虐待とも取られかねない行為に及ぶ危険性も高くなります」

 

Q.男性が産後うつを引き起こす原因は何でしょうか。

 

尾西さん「パパの産後うつは、優しくてまじめないわゆる『イクメン』男性に多い傾向があります。子どもが産まれたことによる環境の変化で、心身のバランスを崩してしまうケースが多いです。主な原因は次の通りです」

 

【育児と仕事の両立に対する不安】

ママのサポートで家事・育児の時間が増えると、睡眠時間が減少して仕事への集中力が低下します。男性の育児参加や、育児休暇の取得に理解のある社会的基盤が整っている職場はまだまだ少なく、仕事を優先せざるをえないプレッシャーを強く感じる男性も多い中、「育児と家事の両立」についてジレンマを抱えがちになり、精神的に不安定な状態に陥りやすくなるのです。また、育児による経済的な負担も大きくなり、長時間勤務に悩む男性も少なくありません。

 

【子ども中心の生活への変化】

産後は生活のあらゆる事柄が子どもを中心に進むため、それまでの生活習慣が大きく変化するタイミングです。不慣れな家事や育児の手伝いをする必要が生じ、思い通りにいかないことも増えるでしょう。そうした状況下でストレスを抱え込んだり、パニックになってしまったりするのも産後うつの一因です。ストレスをうまく発散する時間を取ることができれば問題ありませんが、夫婦ともにそうした余裕も少ない産後は、特に注意すべき時期と言えます。

 

【夫婦二人で過ごす時間が減る】

子ども中心の生活になると、夫婦二人きりで過ごす時間はどうしても減ってしまうものです。夫婦間のコミュニケーションが減少し、仕事によるプレッシャーやストレスを家庭内でうまく解消できなくなると、うつを引き起こしやすいと考えられます。

 

 

産後うつになりやすい男性の特徴や予防策は?

 

Q.産後うつに陥りやすい男性の特徴はありますか。

 

尾西さん「基本的には誰にでも起きる可能性がありますが、特に症状を発症しやすい人は、『真面目で責任感が強い』『完璧主義』『優しい』といった傾向が見られることが多いようです。こうした性格的要素だけでなく、妊娠中~産後のパートナーとの関係が良好でない場合や、出産前後の転職・昇進といった環境の変化、人間関係の悩みやトラブルも発症リスクを高める要因となるため、自身を取り巻く環境にも注意が必要です。また、パートナーであるママが産後うつに悩まされている場合は、パパにも伝染しやすいようです」

 

Q.産後うつの治療はどのようなものでしょうか。

 

尾西さん「症状が重い場合や、なかなか改善されない場合は、まずかかりつけの医師に相談することをお勧めします。カウンセリングなどで改善することもありますし、必要であれば薬による治療を行われます」

 

Q.男性の産後うつを予防する方法はありますか。

 

尾西さん「子どもの世話は大切ですが、自分自身の管理とケアも必要不可欠です。特に、適度な運動と健康的な食事は基本です。例えば子ども連れで散歩に行くと、適度に体を動かすことでストレス解消にもつながる上、パートナーであるママにも休息を取ってもらえます。幼少期から触れ合いを持つことで、子どもとの関係を築くことができ、心のバランスも維持しやすくなるでしょう。

 

また、女性は妊娠中から少しずつママとしての自覚を養っていく一方、男性はそうした機会を持つことが難しいものです。男性は産前から、『子どもがいる生活』のイメージを持ち、パパになる心構えを意識することが精神的に良い影響をもたらします。病院での妊婦健診に一緒に行って超音波でおなかの赤ちゃんを見たり、自治体で行われている『パパママ学級』に参加して、少しずつパパになる自覚を養ったりするのもお勧めです。

 

夫婦の良好な関係を維持することも重要です。産後は育児に対する考え方や意見の違いが生じ、夫婦が対立してしまう場面も少なからずあると思います。子育てにおける精神的負担はパパもママも大きいもの。子どもが産まれ、生活が変わるタイミングだからこそ、お互いの不満や不安を打ち明けられる環境作りを意識し、夫婦でサポートし合うことを心掛けましょう。自分自身のケアによって心のバランスを保つことができれば、子どもとの絆(きずな)が深まり、次第にパパであることを楽しめるようになっていくはずです」

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ライフスタイルチーム