地中海食が大腸がんリスクを減らす 

 

和食が健康にいいと我々は思っているが、研究者たちの意見は地中海食がいいという事で世界的にも一致しているようだ。野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いというのが特徴である。和食と比べてみると、和食のほうが果物が少なく、全粒の穀物が少なく、種ものが少なく、オリーブオイルが少ないとなる。ダメじゃないか(笑)

これに加えて緩やかな糖質制限がいいと言う事も分かっている。徐々に実行してゆくといいと思う。とりあえず、夕食の主食を抜いてみたらいい。

 

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大腸がん(結腸がんと直腸がん)は、日本でも増加しています。 特に、日本人女性のがんによる死亡では、部位別の第1位が大腸がん(結腸がん+直腸がん)です。 (男性では、胃がん、肺がんに続いて、第3位が大腸がん)

今回の研究では、地中海食の食事パターンと、大腸がんリスク(結腸がん、直腸がん)との関連が検証されました。具体的には、イギリス女性コホート研究の一環として、(UK Women's Cohort Study) 合計35,372名の女性を対象に、 217品目の食事調査質問票を用いて、10項目でのスコアにより、地中海食の順守率が評価され、 (地中海食の順守スコアは、最低が0、最高が10) 地中海食の食事パターンの順守率と、大腸がんリスクとの関連が調べられています。

17.4年間のフォローアップ(中央値)が行われ、合計465名の大腸がん(結腸がん、直腸がん)が見出されました。 解析の結果、まず、地中海食の順守スコアと、大腸がんリスクとの間に有意な負の相関が見出されました。 (順守スコアが2ポイントあがるごとに、大腸がんリスクが12%低下。 HR = 0.88, 95% CI: 0.78 to 0.99; Ptrend  = 0.03)

次に、直腸がんに関しては、地中海食の順守スコアが2ポイント上がると、 直腸がんリスクが31%低下という相関が認められました。(HR 95% CI 0.690.56 to 0.86) さらに、地中海食の順守スコアが最高群では、最低群に比べて、 直腸がんリスクが62%低下、という有意な相関が見出されました。 (HR 0.38; 95% CI: 0.20 to 0.74; Ptrend &#8201;<&#8201;0.001)

以上のデータから、今回の研究の対象となった女性において、地中海食による大腸がん、特に直腸がんのリスク低減効果が示唆されます。 がんなどの生活習慣病、肥満、メタボリック症候群の予防や改善には、「地中海食の食事パターン」を基本として、地産地消の食材を用いた「緩やかな糖質制限食・低炭水化物食」が推奨できます。

地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。 野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。 地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。 地中海食やオリーブオイルの効能については、多くのエビデンスが報告されています。