春の「うつ」発症、花粉症で悪化も…アイスランドの食生活に予防ヒント

読売新聞(ヨミドクター) 3/10() 12:10配信

 

ビタミンDが不足するとうつ病になるというデータはない。鬱の方にはビタミンDが不足しているというデータがある。またEPA,DHAはうつ病を抑制するというデータもあるようだ。栄養素で人間の気分が変わるのも脳内ホルモンで気分が変わるために納得の行く話である。

大事な栄養は十分に取っておきたいものだ。

 

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170310-00010000-yomidr-sctch

「自分だけ取り残されている」とみじめな気分に

35日は啓蟄(けいちつ)でした。暖かくなり、地中の虫が地表に出てくるといういわれの日ですね。  日差しも増え、花も美しい春。冬の間、沈んでいた気持ちも、生き生きとしてきます。人生の新しいイベントの時期でもあり、テレビのCMは引っ越し、家具、スマホの買い替えが花盛り。  さて、春になると、どうして元気になってくるのでしょう。医学的には、日照時間が長くなると、脳内の「満足ホルモン」であるセロトニンが増えてくるためと説明されています。セロトニンはスイーツを食べるときに分泌されるホルモンです。ということは、春自体が、スイーツのように満足感をもたらしてくれているのです。  男性更年期の患者さんも秋から冬にかけて、元気がない、気分が沈むという方が多いですが、冬を乗り切れれば「もう大丈夫」と明るい顔でお見えになる方が多いです。もっとも、少数ではありますが、むしろ「春が憂鬱(ゆううつ)」という方もおられます。  春になって社会全体がリフレッシュされているのに、「自分だけ取り残されている」と思ってしまう方ですね。他人がより幸福に見えて、一層みじめな気がしてしまう。家の中に引きこもりがちになる人もいます。  このような症状は、一時的な「気分の落ち込み」ではなく、「うつ病」のことが多いと言われます。まず他人に助けを求めましょう。メンタルヘルスを専門とする医師を受診すると、よいアドバイスをもらえます。気軽に相談してください。

 

魚のビタミンDと日光で…

この春先の気分の落ち込みは、一般には冬の日照時間が少ない、緯度の高い地域に多い症状だと言われています。ところが、例外として、北極圏に近いアイスランドにはほとんど見られないことが知られています。  アイスランドは人口が少ない上に、島国で周囲から隔絶されていることから、そもそも、うつが遺伝子的に起こりにくい人が集まっている可能性もありますが、もう一つのポイントは、アイスランドの人々は魚を沢山(たくさん)食べること。魚類に含まれるビタミンDを十分に摂取することが「うつ病」の予防になっているのかもしれません。  ビタミンDはまた、日光に当たることでも働きが良くなります。ビタミンDの補充は、花粉症の予防にもよいと言われています。実際に花粉症も、この「うつ」を悪くします。鼻が詰まる、目がかゆいという症状自体、気が滅入(めい)ります。さらに、花粉症アレルギーで体中のサイトカインという物質が異常になり、風邪症状を引き起こし、脳にも「うつ」状態を起こしやすくすると言われています。  春が近づいているのに、「どうも今年は元気がないな」というときには、魚中心の食事にビタミンDサプリ、そしてなによりも日光に当たって、ハツラツといきましょう!

堀江重郎(ほりえ しげお)

堀江重郎(ほりえ しげお)

順天堂大学大学院教授。泌尿器科医。1985年、東京大学医学部卒業。