がん転移と脂肪摂取の関連性、マウス実験で確認 研究

20161208 12:51 発信地:パリ/フランス

 

どうやら脂肪摂取によって癌細胞の転移が促進するらしいことも分かってきた。食事制限は治療の基本である。

がん治療に食事療法を取り入れず無視している現代医学は間違っている。

糖質の摂取、肉食は癌を発生し増進することもここで付け加えておきたい。

 

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http://www.afpbb.com/articles/-/3110656?pid=0

128 AFP】がんの転移を阻止する方法を、マウス実験で発見した可能性があるとの研究論文が7日、発表された。論文を発表したスペインの研究チームによると、がんの転移は脂肪の摂取に関連している可能性があるという。

 

英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された論文によると、スペイン・バルセロナ生物医学研究所(IRB)などの研究チームは、がんを臓器から臓器へと拡散させるタイプの腫瘍(しゅよう)細胞を発見したという。転移として知られるこのプロセスは、がんの致死率を大きく高める原因となる。

また研究チームは、この腫瘍細胞が「CD36」と呼ばれる受容体を持つことを明らかにした。CD36受容体については、脂肪の摂取を調節することが知られている。

人の腫瘍を移植したマウスを用いた実験では、CD36受容体を阻害する抗体を投与することで、転移が「有意に減少した」と研究チームは述べている。この方法では、人の口腔(こうくう)がん、皮膚がん、乳がんなどに効果がみられた。

研究チームは、一部のマウスで転移細胞が完全に消滅したことを明らかにしながら、「このようなことは、日常的に起こるものではない」と力説した。

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さらに、CD36受容体が豊富な細胞を持つマウスに高脂肪の餌を与える追加実験では、遺伝子的に近いマウスに普通の餌を与えた場合に比べて、転移の発症数が増え、転移の規模も大きくなったと、研究チームは説明している。

転移は、がん細胞が腫瘍から離れ、血液やリンパ系を通じて移動し、体の別の部位に新たなコロニーを形成することで発生する。研究チームによると、がん死の約90%は、転移が原因で起きるという。

がん細胞のすべてが転移をするわけではない。転移を起こすがん細胞を特定して殺傷できるようにすることが、がん研究の最優先事項の一つになっている。

今回の最新の研究結果により、CD36は抗がん剤の有力な標的候補となると研究チームは指摘した。

■警告徴候

研究を率いたIRBのサルバドール・アスナール・ベニター(Salvador Aznar Benitah)氏は、AFPの取材に「われわれの研究が将来的に、腫瘍が転移を起こす理由と仕組みに関する理解の向上に寄与するだけでなく、転移細胞を攻撃する方法を考案するための新たな一歩となることを期待している」と話す。

ベニター氏は、取材に応じた電子メールで「現在は、人に投与するための新たな遮断抗体の開発を進めている。この遮断抗体については、患者への臨床試験を比較的短期間(410年)で実現したいと考えている」と説明した。

その上で、がんの転移における脂肪と食事の役割を検証するためには、さらに研究を重ねる必要があると述べ、「だが、今回の結果が警告徴候であることは確かだ。食事で摂取する脂肪酸に対して、転移細胞が極めて高い感受性を持つことを、今回の結果が強く示している」と続けた。

がん患者は通常、治療による体への負担に対処するため、多くのカロリーを必要とする。そのような理由からも、今回の研究結果には慎重な態度で臨む必要があるとの声も一方では上がっている。(c)AFP/Mariëtte Le Roux