抗肥満薬+レスベラトロール投与による減量効果

抗肥満薬とレズベラトロールの投与は抗肥満薬単独の投与に比べて減量効果がある事が示された。6か月間で約1kg(厳密には800g)の差が出ている。サプリメントで効果が出るのは代謝が改善するからだろうと思う。

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http://www.dhcblog.com/kamohara/今月の肥満研究の専門ジャーナル(電子版)に、抗肥満薬のオルリスタットとレスベラトロールの併用投与による減量効果を示した臨床研究が、メキシコのグループから報告されていました。(Obesity (Silver Spring). 2016 May 25) 肥満治療薬の一つに、オルリスタット(商品名Xenicalゼニカル、アライAlli)があります。 リパーゼの阻害薬であり、摂取した脂肪の3割ほどの吸収を抑制する作用があります。 レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。 レスベラトロールは、長寿関連遺伝子の1つであるサーチュイン遺伝子の活性化を介して、アンチエイジング効果があるのでは、と期待されています。 長寿になるかどうかを確認するためのヒト臨床試験は容易ではありませんが、 最近の臨床研究では、内分泌代謝疾患や生活習慣病の改善効果が示唆されています。 さて、今回の研究では、オルリスタットとレスベラトロールの併用投与による肥満への作用が検証されました。 具体的には、ランダム化二重盲検試験として、BMI30以上40未満の肥満者161(20歳から60)を対象に、まず、2週間、通常の食事よりも500 kcal少ないエネルギー制限食を摂取させ、続いて、

・偽薬投与群 ・レスベラトロール投与群、 ・オルリスタット投与群 ・オルリスタット+レスベラトロール併用投与群 の4群について、エネルギー制限食とともに、6か月間の介入が行われました。 試験期間中、7回のフォローアップが行われ、体組成などの指標が測定されています。 161名中84名が試験を完了しました。 解析の結果、偽薬群に比べて、オルリスタット+レスベラトロールの併用投与群では、 有意な体重減少効果が認められました。 OR併用群;- 6.82 kg (95% CI -8.37 to -5.26) 偽薬投与群; -3.50 kg (-5.05 to -1.95, P = 0.021) 一方、オルリスタット単独投与群では、-6.02 kg (-7.68 to -4.36) レスベラトロール単独投与群では、-4.68 kg (-6.64 to -2.71)であり、体重減少効果は認められましたが、 偽薬投与群との比較では有意差は認められていません。 その他、BMI、ウエスト周囲径、体脂肪量、中性脂肪、レプチン、レプチン/アディポネクチン比の有意な低下が、オルリスタットとレスベラトロールの併用投与で認められています。 以上のデータから、レスベラトロールによる抗肥満薬との併用投与による減量効果が示唆されます。 なお、この研究では、本来、実薬対象となるオルリスタット単独投与群において、偽薬群との有意差が認められていないため、さらに検証が必要と考えられます。 現在、レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。